名古屋市が導入に向け検討を進める新たな路面公共交通システム「SRT」について、2026年に開催されるアジア競技大会までに名駅~栄間で実用化する方針が示されました。
導入が検討されている2ルート(名駅~栄間の「東西ルート」と名古屋城や大須などを結ぶ「周回ルート」)のうち、東西ルートを優先的に整備、周回ルートについても2027年のリニア中央新幹線の開業までに導入を目指すとのことです。
まずは既存の連接バスが広小路通を走行
「SRT」は名古屋市が導入を検討している新たな路面公共システムで、スマート(Smart)さを備え、路面(Roadway)を走ることでまちの回遊性や賑わいを生み出す、今までにない新しい移動手段(Transit)である「Smart Roadway Transit」の略称となっています。
2022年9月には公募した一般モニターが乗車する形での社会実験も実施されています。
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アジア大会までに実用化する方針が示された名駅~栄間の東西ルートですが、広小路通を走行するようです。また、車両は既存の連接バスを活用するとのことで、社会実験でも用いられたメルセデス・ベンツ製の「CITARO-G」が導入されるのでしょうか。
気になるのは名駅と栄の乗降口がどこになるのかです。
名駅だと、JRゲートタワーとJPタワー名古屋の1階にある名古屋駅バスターミナル、栄だとオアシス21にある栄バスターミナルが、それぞれ市バスのメインターミナルとなっていますが、いずれも連接バスが乗り入れるとなると乗り場の改造などが必要になることから、路上に専用の乗り場が設けられるまでは、社会実験のときのように路上で暫定的に乗り降りする形になるのかもしれません。
また、路上駐車が多く、渋滞が多い広小路通を長大な連接バスが走るというのも懸念が残ります。
導入時はともかく、将来的には専用レーンを設けるなど、SRTを唯一無二の公共交通システムとして育てていく姿勢が名古屋市には求められるのではないでしょうか。