産業貿易館本館の跡地ではリニア中央新幹線名城変電所の工事が進捗中で躯体が地上に姿を現していますが、本町通を挟んで西側の産業貿易館西館跡地では建物の解体が完了し、広大な更地が出現しています。でも、更地になってからしばらく経っているのですが今のところ動きはないようです。どうなっているのでしょう。
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現在も地下通路の撤去工事が進捗中
2022年1月現在、解体工事は完全に終わっておらず、産業貿易館本館と西館の間に設けられていた地下通路の撤去工事が行われており、産業貿易館西館の跡地は作業スペースとして利用されています。
撤去工事を担当する鈴中工業のウェブサイトには豊富な施工写真とともに工程表も掲載されており、これによると2022年の10月ごろまでかかる予定とのことです。
現地の状況(2022年1月)
北東側、本町橋の交差点からみた状況です。この土地は現在も愛知県が所有しています。周囲もアイリス愛知や名古屋銀行協会会館など公的性格の強い施設が立地しています。
敷地の内部です。一区画全体を愛知県が所有しているのではなく、民間の建物も4棟ほど建っています。
従前建っていた産業貿易館についての解説と取壊し状況について解説した案内が現地に掲出されています。土地所有者である愛知県が掲出したのか、工事施工者である鈴中工業が掲出したのかはわかりませんが、状況がよくわかり非常に好感の持てる掲示だと思いました。
跡地利用はどうなる?
2022年の10月には地下通路の撤去工事が完了することから跡地利用についての動きも今後明らかになると思われますが、想定される跡地の利用方法を考えてみましょう。
老朽化した三の丸地区の庁舎の受け皿
三の丸地区は、国をはじめ愛知県や名古屋市の各庁舎が立地し、中京圏の行政機能の中枢となっていますが、築後50年以上を経過し建て替えが必要な庁舎も存在します。そのため、産業貿易館西館跡地を受け皿として、ドミノ式に庁舎の建て替えを行っていくための最初の移転用地として利用されることが考えられます。
民間に払い下げ
入札などにより民間の事業者に払い下げることも考えられます。入札に応じるのはおそらくマンションデベロッパーがメインでしょうから、スーパーマーケットを併設したタワーマンションが建設されれば、地域住民にも喜ばれるのではないでしょうか。
官庁街に近接した貴重な立地なので、愛知県も手放す可能性はあまり高くなく、①のような方向性に落ち着くのではないでしょうか。今後も動きを追っていきたいと思います。