名古屋市中区錦1丁目の広小路通沿いで三甲が建設中のオフィスビル「三甲名古屋錦ビル」について鉄骨建方工事が完了、躯体が最上部まで達しました。2023年1月の竣工を目指し、今後外装工事や内装工事が進められます。
「三甲名古屋錦ビル」の概要
「三甲名古屋錦ビル」の建築主である三甲は岐阜県瑞穂市に本社を置くプラスチック製品を製造する化学メーカーです。
三甲という会社名を聞いたことがないという方もこのロゴを目にしたことがあるという方はけっこう多いのではないでしょうか。
同社はプラスチック物流資材の分野で業界トップ企業であり、その製品数は10,000にも及ぶとのことです。例えばコンビニエンスストアに商品を搬入する際の折りたたみ式のコンテナであったり買い物かごであったりと目立たないけれどわれわれの生活になくてはならないような製品を作っている会社です。
国内の営業拠点数は69か所、工場拠点数は26か所と全国各地に拠点網を張り巡らしています。特徴的なのは不動産の有効活用にも意欲的なことです。
同社のウェブサイトには69か所の営業拠点が写真入りで掲載されています。
三甲 営業所・ショールーム案内
東京や大阪の拠点はそれぞれ好立地(港区西新橋と中央区本町)で賃貸オフィスを兼ねた立派なオフィスビルを所有しています。その他の拠点も賃貸マンションを兼ねているような物件が多く、本業とは別部門の不動産事業でも相応の収益を上げているものと思われます。
「三甲名古屋錦ビル」も同社の不動産投資事業の一環として建設されるようです。米系オフィス仲介会社のCBREのウェブサイトによると1階から12階が賃貸募集中であり、ビルが13階建てであることから13階は自社で使うにせよ、ほとんどが賃貸オフィス(1階は店舗)となります。
三甲の紹介が長くなりましたが「三甲名古屋錦ビル」の立地について見てみましょう。
名古屋のメインストリートのひとつである広小路通沿い、納屋橋東交差点の北東側に立地しています。周辺には「納屋橋東地区第一種市街地再開発事業」で整備されたプラウドタワー名古屋栄などを擁するテラッセ納屋橋やヒルトン名古屋などがあり人通りが多く賑やかな場所です。
建設地には2016年にディスコ「マハラジャ名古屋」が20年振りに復活し3年ほど営業していましたが集客が伸び悩み2019年に閉店、運営会社は破産してしまいました。
「三甲名古屋錦ビル」はその跡地に建設されています。ビルの概要は以下のとおりです。鉄骨造一部鉄筋コンクリート造地下1階・地上13階建て、高さ59.90メートルのビルが建設されます。
名称 | 三甲名古屋錦ビル |
敷地の地名地番 | 名古屋市中区錦1丁目1616番、1617番2 |
用途 | 事務所、飲食店、自動車車庫 |
構造 | S造一部RC造 |
高さ | 59.90m |
階数・棟数 | 地上13階 地下1階 1棟 |
敷地面積 | 760.48㎡ |
建築面積 | 655.06㎡ |
延べ面積 | 7,829.26㎡ |
建築主 | 三甲 |
設計者 | 入江三宅設計事務所 |
工事施工者 | 奥村組 |
着工 | 2021年6月 |
竣工 | 2023年1月(予定) |
完成イメージ図です。「サンコー」のロゴが周辺からも目立ちそうです。
現地の様子(2022年6月)
錦通に架かる納屋橋からの様子。曲線が特徴的なビルで場所的に遮るものがないことからよく目立ちます。
躯体は最上部に達しています。
南東側の納屋橋バス停からの様子。
堀川沿いにはオープンテラスもありオシャレな感じです。そんな場所にもよくマッチしそうな形状です。
「三甲名古屋錦ビル」の手前に建つ低層のビルは旧加藤商会ビルで国の有形登録文化財になっています。1階にはサイアムガーデンというタイ料理店が入っています。
北西側側の様子。おそらくこちら側に立体駐車場と車両出入口が設けられるものと思われます。
建築主、設計監理、施工の各社名の掲示です。
今後、足場を組んで外装工事に入っていくようです。
錦通の歩道には仮設の屋根が架けられています。