名古屋市中区丸の内3丁目の名古屋高速環状線の高架下、外堀通と本町通が交わる「本町橋」交差点の南東側でリニア中央新幹線の名城変電所の工事が進められています。
名城変電所で変圧された電気は内径約3メートルのトンネルである“電気洞道(でんきとうどう)”を通り400メートルほど北側に設置される名城非常口を経て地下に敷設されるリニア中央新幹線の本線に流されます。
地味ですが、リニア中央新幹線の運行には欠かせない重要な施設です。前回の取材は2022年1月初旬でしたので約5か月ぶりの取材となります。
前回記事 【リニア中央新幹線】名城変電所の地上躯体が構築中!(2022年1月)
リニア中央新幹線名城変電所の概要
リニア中央新幹線名城変電所は運行に必要な変電機器や信号通信機器等が収めた施設で、地上4階・地下2階、延床面積20,000平方メートルの規模で、地下の構造体部分は鉄骨鉄筋コンクリート造、地上部分は鉄骨造となっています。
リニア中央新幹線名城変電所の工事の概要は以下のとおりです。
工事名称 | 中央新幹線名城変電所ほか新設 |
工事場所 | 名古屋市中区丸の内付近 |
工事契約期間 | 2018年9月10日~2022年9月10日 |
工事概要 | 変電所 鉄骨造一部鉄骨鉄筋コンクリート造、地上4階・地下2階建 延床面積 約20,000㎡ 高さ約35m 電気洞道 内径 約3.0m 延長 約400m |
現地の様子(2022年5月)
本町橋の交差点からの様子。高さは35メートルほどなのでそれほど高くはないのですが、かなり堂々と見えます。
移動式のクローラークレーンとタワークレーンの2基体制は1月の取材時と変わっていません。
西側からの様子。
北西部分は現在躯体が構築されていませんが、鉄骨が出っ張っていることからこの部分にも躯体が構築されるのでしょうか。
機器類の搬入スペースでしょうか。3箇所ほど開口部とテラス状の箇所があります。
南側にある本町公園からの様子。最終的にどのような外観になるのかも気になります。
南東側からの様子。
東側開口部から内部の様子が少し見えます。暗くてわかりにくいのですが、ホイストクレーンのようなものが取り付けられています。機器類を地下に下ろすためのものかもしれません。
リニア中央新幹線名城変電所と本町通を挟んで西隣りの「産業貿易館西館」の跡地ですが、更地のままで今のところ動きはないようです。
関連記事 【産業貿易館西館】跡地利用はどうなる?(2022年1月)
名古屋合同庁舎1号館から望む名城変電所です。写真左上にはリニア中央新幹線の当面の終着駅となる名古屋駅方面が見えます。
開口部のアップ。シールドマシンの出し入れがあるので当面は穴がふさがれることはないのでしょうが、開通時にはどのような姿になるのでしょうね。
気になる直方体の謎はまだ解けず…
前回の記事で、変電所のイメージパースに描かれている変電所の建屋の西側、本町通側の謎の直方体について触れましたが、工事はまだそこまで進んでおらず依然として謎のままです。
もしかしたら以前建っていた産業貿易館本館を示しているのでしょうか。でもパースにわざわざ従前の建物は描かないでしょうし…。
謎が深まるばかりです。