リニア中央新幹線

【リニア中央新幹線】名古屋駅東側の建設状況2022年4月

2022年4月13日、JR東海はリニア中央新幹線名古屋駅の東工区の工事の様子を報道陣に公開しました。2016年12月から工事に着手していましたが、用地買収が9割まで進み、建物の解体も完了し、今後地下駅の本格的な工事に着手するタイミングとなったことから今回の公開となったものです。

報道された内容をもとに現地の状況を踏まえ深掘りしてみましょう。

報道内容のまとめ

今回の工事現場の公開は、新聞・テレビ・ネットメディアなど多くの媒体で取り上げられました。工事の様子や今後の工事計画とともに静岡県内の南アルプストンネルの水量問題を絡め2027年の当初の開業目標より遅れることになりそうだ、という報じ方が多かったようです。

報道された内容を箇条書きでまとめてみましょう

新駅の工事は2016年12月から始まる。5つの工区に分かれて工事が進められ、今回公開されたには最も東端部の「東工区」で長さは約180メートル、幅は約20~35メートル。当該部分の工事は2021年8月に着工されていた。

用地取得の進捗率は約9割。

現在は、準備工として解体された建物の地中障害物を除去する工事と地中連続壁の崩壊を防ぐための「溝壁防護工」を行っている。

現地の様子(2022年4月)

JRゲートタワーから望む東工区の様子です。報道の中でJR東海が示していた資料などをもとに駅の範囲をプロットしてみました。多少のズレはあるかもしれませんが、だいたいのイメージはつかめるのではないでしょうか。

手前に見えるダクトがたくさんあるビルが大名古屋ビル西側にある飲食ビル「COLLECT MARK 名駅3丁目」です。こうしてみるとかなり狭い幅で工事が行われていることがわかります。

地上に下りてみましょう。中央郵便局の信号付近からの様子です。ビルが直線状になくなったため見通しがよくなっています。写真ではわかりにくいですが、丸の内のアルペン本社ビルの最上部も見えています。

松岡ビル付近からの様子。中央新幹線名古屋駅のホーム中心部はJRゲートタワーの地下部分に設けられる予定です。

この場所にはかつて、右側にダイヤビル2号館、左側は座座はなれや小さな飲食ビルがありましたが、更地化されすっかり様子が変わってしまいました。ラーメン屋もなくなったはずなのにラーメンの幟が立っていてあれっと思いました。

少し歩くと見慣れぬ黒いビルの1階に見慣れぬ油そばのお店が。今回入りそびれたのですが、あらためてレポートせねば…。ちなみにこのビル、最近建ったようで「キヨスク名駅ビル」というようです。おそらくJR東海系だと思われます。

奥に見えるのが称名寺で、リニアの工事に伴い鐘楼門と鐘を曳家により5メートルほど移動したとのことです。道はここで行き止まりになっています。

反対側を望みます。やがて工事が本格化するとこの部分も掘削対象に含まれるため通れなくなります。

大名古屋ビルヂング北側のビッグエコーのところ。かつてはダイヤビル1号館と2号館に挟まれて、ある意味圧迫感のある場所でしたが、更地になり全く印象が変わってしまいました。

名駅3丁目の飲み屋街のところまで来ました。

このあたりが東工区の東端部になります。このあたりまで開削工法で工事が行われ、ここから東はシールドマシンによってトンネルが掘り進められます。

工事の期間は令和7年(2025年)8月までとあります。あと3年です。

今後、開削工事が本格化!

リニア中央新幹線名古屋駅の工事は、地中連続壁工法により土留め壁を構築したのち、その内側を掘削することにより進められます。冒頭の写真の赤色の部分に土留め壁が設置され、その内側を掘っていくイメージです。

そしてホームの深さは地下30メートルです。東工区でいくと180メートルに渡ってこの深さで掘り進められます。都心の超一等地で行われる大規模な開削工事。どのようなものになるのでしょう。今から楽しみです。

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