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【名古屋競馬場跡地】アジア大会終了後、複合的なまちづくりへ!

2022年3月11日、名古屋市港区の名古屋競馬場で最後のレースと閉場式が行われ73年に渡り競馬ファンに親しまれてきた歴史に幕を閉じました。

名古屋競馬場の跡地は2026年に開催される第20回アジア競技大会(アジア大会)の選手村として利用されたのち、中部電力を中心とする事業グループにより再開発され、商業施設や分譲マンション、高校などが整備されます。

ただ、競馬場跡地という事情により計画がまとまるまでに紆余曲折がありました。経緯をふり返ってみるとともに今後の計画について見てみましょう。

同朋学園が大学移転を断念、代わりに誉高校が名乗りを上げる

当初、事業グループの一員であった同朋学園が運営する同朋大学が跡地の南西区画に移転する計画でした。しかし、競馬場移転の条件でもあった場外馬券場がこの区画に隣接する南東側の区画に設けられることに学園内の一部の理事が反発、すったもんだの末に大学移転を断念、同学園は事業グループからも離脱します。

同朋学園に変わり名乗りを上げたのは学校法人尾関学園が運営する誉(ほまれ)高校です。

同校は小牧市本庄に校舎を置く小牧市唯一の私立高校で1983年に開校しました。2019年には夏の甲子園に出場し知名度を一気に上げました。

同校は2029年4月の開校を目指すとしており、移転の理由として名古屋市港区と隣接する中川区で合わせて約36万人の人口があるのに対し、私立の高校がないことから少子化が進むなかでも高校を存続させていける、ということを挙げています。

小牧市の現校舎については募集を停止している商業科の再開や新学科を設立することにより存続を図ることも検討しているとのことです。

再開発計画の概要

跡地開発はどのようなものになるのでしょうか。概要を見てみましょう。

まず、事業者の構成ですが、下記のようになっています。

中部電力(代表法人)、中電不動産、日本エスコン、マザーズ、矢作地所、大和ハウス工業

このなかでマザーズという会社は名古屋市西区や中村区などで老人ホームや旅館などを運営する企業です。

ゾーニングと導入機能は以下のとおりです。

南東側の場外馬券売場以外が再開発の対象です。

東海通と名古屋環状線に接する区域AとBは賑わいゾーンとして複合商業施設が計画されています。おそらく大和ハウス工業が手掛けるのだと思われます。とすれば「iias(イーアス)港北」とかになるのでしょうか。【2022.11.16追記】大和ハウス工業は戸建て住宅の開発のみを行うようです。

区域FからJは学びゾーンです。同朋学園の撤退前は「福祉系学部を有する大学」が設置予定でしたが、高校・大学・図書館などに変更されています。

区域C~Eは住まいゾーンとして、戸建て住宅や分譲マンション、複合型福祉施設・農園などが配置される予定です。

現地の様子(2022年4月)

現地の様子を見に行きましたが、競馬場が閉鎖されたとはいえ、解体などはまだまだ先で、それどころか場外馬券場は絶賛営業中なので、以前となにも変わっていませんでした。

東海通と名古屋環状線というともに交通量の多い幹線道路の南西側に位置しています。

馬蹄をあしらった看板もそのままでした。

閉鎖された競馬場とは思えない様子です。

駐車場も変わらず利用することができます。

敷地全体の様子です。名古屋市内の駅近くでこれだけまとまった開発用地は希少といえます。

競馬場の閉場により明確にかわったことが1つだけあります。

それはあおなみ線の駅名が変更されたことです。競馬場が閉場された翌日の3月12日、「名古屋競馬場前」駅から「港北」駅へと駅名が変更されました。なんだか横浜っぽく感じたのは私だけでしょうか。

名古屋競馬場は弥富に移転しています。馬券の購入はいまやネットが主流なので、観客席の数は旧名古屋競馬場の10分の1になったとのことです。

まちびらきは2028年の予定

名古屋市では、名古屋競馬場跡地を含む、概ね、地下鉄名港線(東)、荒子川(西)、国道1号(北)、荒子川運河及び荒子川公園(南)で囲まれたエリアを「港北エリア」としており、アジア競技大会の選手村整備を契機に、運河、公園、交通基盤などの地域資源の有効活用を図ることにより、憩い・にぎわいと新たな地域ブランドの形成に向けたまちづくりを推進していくとのことです。

確かに交通インフラは相応に整備されていますし、名古屋では数少ない水辺の空間や大きな公園などもあることから、ポテンシャルの高いエリアということができます。そのなかに現れた約20ヘクタールの開発用地。レゴランドやららぽーとみなとアクルスに続き名古屋市南西部の地域活性化の起爆剤となることが期待されます。

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