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名古屋駅前のシンボル「飛翔」が撤去開始、リニア時代に向けた駅前広場の再整備計画が始動!

名古屋駅前のロータリーにあるモニュメント「飛翔」の撤去が6月6日夜から始まりました。

「飛翔」は市政100周年を迎え、世界デザイン博覧会が開かれた1989年(平成元年)に設置され、以来平成から令和へと変わりゆく名古屋駅前の姿を見守り続けてきました。

「飛翔」の撤去はリニア中央新幹線の開業に向けた名古屋駅東側駅前広場の再整備計画にともなって行われるものです。 そういった意味では、リニア時代を迎える名古屋にとって“終わりの始まり”といえる象徴的なできごとともいえそうです

撤去開始翌日、2022年6月7日の様子

JRセントラルタワーズ15階のスカイストリートから望む「飛翔」です。撮影したのが午後だったのでゲートタワーの影に隠れてしまいました。

ロータリー東側に三角コーンが置かれ、1車線が封鎖されています。

名古屋駅2階のペデストリアンデッキからの様子。今まで当たり前だった光景がなくなってしまうことに一抹の寂しさがある一方、あの場所まで広場が拡張されることによる名古屋駅前の回遊性の向上に期待が高まります。

新聞やテレビ、ネットニュースなどで広く報じられたからか、老若男女問わず「飛翔」の姿を写真に収める人の姿が見られました。

車線規制の様子。もともと車で走るとどの車線を走ってよいかわかりにくかったのですが、よけいわかりにくくなりそうです。

地下に下りました。飛翔の北側は空ぼりになっていて地下街の非常口としての機能があります。

今までよく考えたことがなかったのですが、このあたりが「飛翔」の真下になるのでしょうか?

「飛翔」が設置されたのは1989年7月のことです。当時、名古屋に高さ100メートルを超える超高層ビルは「住友生命名古屋ビル」と「名古屋国際センタービル」(ともに高さ102メートル)、それに同じ年の3月に開業したばかりの「ヒルトン名古屋」(高さ110.5メートル)の3棟しかありませんでした。

「飛翔」の背後にそびえる「JRセントラルタワーズ」が開業したのが1999年。それまでの名古屋では考えられなかった高さ200メートルを超えるツインタワーの出現は当時の名古屋人の度肝を抜きました。

2010年代に入り「大名古屋ビルヂング」や「JPタワー名古屋」、「JRゲートタワー」などの超高層ビルが相次いで竣工、「飛翔」は名古屋駅前が国内有数の超高層ビル街へと変貌を遂げる様子を見守ってきました。

歩行者空間面積が倍増、名古屋駅の顔となる広場の整備へ!

出典:名古屋駅周辺まちづくりの現在の状況(令和3年4月更新)の公表

「飛翔」の撤去、ロータリー交差点の三叉路化により歩行者空間面積は現在の約6,500平方メートルから約14,000平方メートルに倍増します。

このことは、リニア中央新幹線の開業に向け、“迷駅”と揶揄される現状を脱し、誰にでもわかりやすい乗換空間である“ターミナルスクエア”創出に向けた布石となります。また、飛翔に変わる名古屋駅の“顔”となる広場の整備も行われます。

「飛翔」の撤去期間は約4か月。撤去後の部材は当面は港区にある市有地で保管されるとのことですが、当初いわれていたとおり「ささしまライブ24」地区に移設される計画もあるようです。

【2022年6月23日追記】「ささしまライブ24」地区に移設される計画は白紙になったとのことです。

寂しさと期待という複雑な感情を織り交ぜつつ、「飛翔」が名古屋駅前から姿を消していく様子をしばらく見守りたいと思います。

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