積水ハウスと長谷工コーポレーションが地下鉄東山線池下駅近くで計画を進めているタワーマンション「(仮称)グランドメゾン池下ザ・タワーⅡ」。
今回の取材時には完成時の約半分の高さの19階程度まで躯体が伸び順調に工事が進んでいますが、ここへ来てトラブルが…。
現在の建設状況と併せてお伝えします。
前回記事
「(仮称)グランドメゾン池下ザ・タワーⅡ」の概要
「(仮称)グランドメゾン池下ザ・タワーⅡ」は、積水ハウスと長谷工コーポレーションが主体となり、積水ハウスのモデルハウス跡地で建設計画が進められています。
敷地面積は「グランドメゾン池下ザ・タワー(Ⅰ)」の約6,800平方メートルに対し約3,600平方メートル、戸数は440戸に対して約200戸ですが、高さは「Ⅰ」の地上42階・約153メートルに対して地上39階・約136メートルとかなりスラっとしたタワーマンションとなります。
所在地 | 名古屋市千種区池下2丁目63-2ほか |
用途 | 共同住宅(分譲) |
敷地面積 | 3,587.00㎡ |
構造 | 鉄筋コンクリート造 |
建築面積 | 1,651.38㎡ |
高さ | 135.7m |
延べ面積 | 27,335.77㎡ |
階数 | 地上39階地下1階 |
総戸数 | 約200戸 |
工事着手時期 | 2022年5月下旬 |
完成予定時期 | 2025年9月 |
建築主 | 積水ハウス株式会社、株式会社長谷工コーポレーション |
設計者・工事施工者 | 株式会社長谷工コーポレーション |
現地の様子(2024年7月)
北西側からの様子。しばらく取材が途切れてしまいましたが、いつの間にかぐんぐん成長していました。
一部はシートが外され完成後の外観が伺えるようになっています。
整然とした現場です。
2棟のタワーマンションが並び建つ様は、名古屋では非常にレアです。
「Ⅰ」と比べて「Ⅱ」はとてもスリムなことがわかります。
周辺の様子です。広小路通沿いでは千種区役所の解体工事が進んでいます。解体後は、UR賃貸住宅を併設する新庁舎が建設され、2027年に完成予定です。
同じく積水ハウスが手掛けた「グランドメゾン向陽町」はすでに完成済みです。
大京が手掛ける「ザ・ライオンズ覚王山」も建設が進んでいます。以前は北側のマンションに建設反対の横断幕が掲げられていましたが、一切撤去されていました。
「Ⅰ」の住民が「Ⅱ」の30階以上の建設差し止めを求め提訴!
2024年6月28日の中日新聞に気になる記事が掲載されました。
「グランドメゾン池下ザ・タワー(Ⅰ)」に住む住人3名が、「Ⅱ」の30階以上の建設差し止めを求め提訴したというものです。
住民側は、「購入時に販売担当者から眺望を阻害する建物は建たないと聞いていた」と主張する一方、積水ハウス側は「コメントは差し控える」としながらも答弁書では「『西側隣接地の建物建設計画は未決定、周辺環境・景観・日照条件に変化が生じる可能性がある』などと記載し、口頭で説明している」と主張しているようです。
池下北交差点北西側からの写真です。確かに2棟のタワーマンションが完全に重なっており、ちょうど「Ⅰ」から見た名古屋駅方面の眺望が完全に遮られるようにも見えます。
積水ハウスといえば、富士山の眺望の問題から東京・国立市の完成間近だった分譲マンションを解体することを決定したニュースが記憶に新しいところです。
千種駅前で今後建設を進める「グランドメゾン千種ザ・タワー」についても千種ニュータワービルでのテナント退去を巡って揉めているようですし、いろいろと大変そうです。
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もし「Ⅱ」の建設差し止めが認められれば、国立のケースとは比べ物にならないほど損失が莫大なることから積水ハウス側も徹底的に争うのでしょうが、レピュテーションリスクも気になるところです。
建設状況や裁判の状況について、今後も追っていきたいと思います。