残念なニュースが飛び込んできました。栄のナディアパークに入るロフト名古屋が2023年6月末で閉店することが明らかになりました。
同店は名鉄グループで小売り事業を行う名鉄生活創研が運営してきましたが、約7,400平方メートルという大型店であるが故、採算性が低いことから撤退を決めたとのことです。
今回の記事ではナディアパークがどのような施設であるか振り返るとともに、どのような後継テナントが想定されるかについて考えてみたいと思います。
ナディアパークは名古屋市や第3セクター、信託銀行の区分所有ビル
ナディアパークは12階建ての「デザインセンタービル」と23階建ての「ビジネスセンタービル」のツインビルとそれらをつなぐアトリウムで構成される複合商業施設です。名古屋市立中央高校の跡地を再開発し、1996年11月に開業しました。
「デザインセンタービル」は名古屋市(7階~12階)と第3セクターである株式会社国際デザインセンター(B1階~7階)が、「ビジネスセンタービル」は土地信託事業により三菱UFJ信託銀行の三者がそれぞれ区分所有しています。
それぞれの利用形態は以下のとおりです。
ビジネスセンタービルは、地下1階から7階までが商業施設となっています。このうちロフト名古屋は1階から5階と商業施設の大部分を占めています。ナディアパークのオープン以来27年にわたって営業を続けてきました。
ロフトは2021年11月に栄ノバにも出店しましたが、ロフト名古屋はこの時点で撤退を運命づけられていたのかもしれません。
商業施設はすでに空きが目立っていた…
ナディアパークには2020年2月までジュンク堂書店が入っていました。
もともとロフト名古屋の売り場の一部だった地下1階部分に2009年8月に出店、同年12月には7階に入っていたソフマップ(旧ヤマギワソフト)跡にも出店、名古屋でも有数の大型書店として盛業していました。
しかし、近くに同系列の丸善名古屋本店が2015年4月に、地下鉄栄駅すぐの明治安田生命ビルにジュンク堂書店栄店が2016年1月にそれぞれ開店したことにより自社競合が生じてしまい、ナディアパークのジュンク堂は2019年3月に7階を閉鎖、2020年2月に地下1階部分も閉店してしまいました。
ジュンク堂が撤退したタイミングでコロナ禍に陥ったこともあり、7階と地下1階は現在でも空いたままになっています。 そこにロフト名古屋の撤退です。
ビジネスセンタービルの商業施設部分は6階に入っているアウトドアブランドのモンベルを残してほぼ空きビルになってしまうことになります。
2023年5月8日追記
6階のモンベルも夏ごろに閉店するとのことです。私の登山仲間がモンベルの店員から聞いたそうです。モンベルもロフト名古屋の一部なので閉店は必然だったのかもしれません。
個人的にはよく利用する店舗だったので残念です。どこかに代替店舗はできてくれるのでしょうか。
後継テナントはどうなる?
それでは、後継テナントはどうなるのでしょうか?
これだけの面積を埋められる業種となると考えられるのは家電量販店くらいしか思い浮かびません。
名鉄名駅再開発が具体化 → ヤマダ電機が運営し、旧名鉄百貨店本店ヤング館(大手町建物名古屋駅前ビル)に入居する「LABI名古屋」が撤退を余儀なくされる → ヤマダ電機は新天地を求めナディアパークのロフト名古屋跡に入居
ただ、仮に上記のようになるにしても数年先でしょうし、それまで空けておくわけにもいかないとも思われ、はたしてどうなるのでしょうか。