伏見地区

御園小学校が移転し名城小学校と統合、跡地の高度利用に期待が!

名古屋市中区にある御園小学校と名城小学校が統合されます。新しい学校の校名案は「丸の内小学校」で現在の名城小学校の場所で2023年4月に開校します。

この統合により御園小学校の校地が跡地となり都心部に約9,600平方メートルの開発用地が出現することになり高度利用が期待されます。

小規模校対策として2校の統合が進められることに

御園小学校は1954年1月に名城小学校の分校として開校しました。2021年度の全校児童数は52人、学級数は7学級(1~6年:各1学級、特別支援学級:1学級)です。

一方、名城小学校は1871年に開校した第一義校をルーツとし、1947年に現在の学校教育法による学校として名城小学校となりました。2021年度の全校児童数は214人、学級数は11学級(2年と3年:2学級、それ以外の学年:1学級、特別支援学級:3学級)です。

両校とも小規模校であり、望ましい学校規模を確保する観点から統合が検討されてきました。

両校は丸の内中学校校区のなかにあり、名城小学校から御園小学校が分離した経緯があることから、2019年2月に小規模対策2校合同検討委員会が設置され2年にわたり統合について具体的な協議が重ねられてきました。

出典:名古屋市 令和3年度第5回名古屋市子どもいきいき学校づくり推進審議会資料

統合場所について、現在の名城小学校とした方が通学距離は近くなること、名城小学校の方が敷地面積が広い(名城小学校;10,914㎡、御園小学校:9,613㎡)ことから名城小学校が選ばれました。

統合後の小学校の校名について、両校の児童・保護者や教職員、学区内の居住者を対象に校名案を募集したところ、圧倒的多数で「丸の内小学校」が選ばれました。2022年9月の名古屋市議会の議決を経て校名が正式に決定される予定です。

今後ですが、2022年度中は校章や通学安全等の協議が行われるとともに児童相互の交流活動が進められ、2023年4月に統合校が開校します。 同時並行で改修設計が行われており、2024年度から2025年度にかけ改修工事が行われ2026年度から新校舎での生活が始まる予定です。

御園小学校の跡地はどうなる?

御園小学校と名城小学校の統合により御園小学校の校地が跡地となります。

御園小学校の校地は中区錦1丁目にあり、容積率は700%(ただし地区計画基準容積率は600%)に指定されていて高度利用が可能です。

名古屋市で学校統合に伴い跡地となった6つの旧小学校の跡地の活用状況は以下のとおりです。

学校跡地の活用について名古屋市は、以下のとおりとしています。

統合により使用しなくなる校地や校舎については、防災拠点など地域に必要な機能に配慮しながら、余剰となる資産の有効活用を全市的な視点で検討します。

また、いずれの跡地も指定避難所等となっており地域の防災拠点にもなっています。

これらの学校跡地のうち、旧本陣小学校跡地については中村区役所の移転先として2023年1月の開庁が予定されており、最近当ブログでも紹介したところです。

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また、跡地のなかで最も名古屋駅に近い新明小学校跡地については、リニア中央新幹線名古屋駅建設に伴う代替地として2020年に三菱倉庫など3社に売却されており、規模などは不明ですが複合ビルを建設する計画があります。

2017年3月に名古屋商工会議所が提示した「伏見地区まちづくりビジョン」では、御園小学校跡地の高度利用を以下のように提言しています。

小規模校対策による校舎移転によって生まれる御園小学校跡地について、にぎわいを生む商業施設等の導入可能性も加味しつつ、防災や地域コミュニティーの形成に資する施設を中心に土地の高度利用を図る。

小学校跡地の高度利用の例としては大阪・梅田の「梅田ガーデン」の例があります。

出典:住友不動産 旧大阪北小学校跡地の大規模複合開発 (仮称:梅田曽根崎計画) 超高層複合タワー 『梅田ガーデン』2022年3月竣工へ

旧大阪北小学校の敷地が住友不動産に145億円で売却され、6,837.63平方メートルの敷地に地上56階建て・高さ191メートル・延床面積約10.8万平方メートルとびっくりするような規模の超高層複合タワー(ホテル・定借分譲マンション・賃貸マンション)が2022年3月、梅田の一等地に竣工しています。

さすがにこの規模は無理だと思われますが、納屋橋東地区第一種市街地再開発事業(プラウドタワー名古屋栄)や錦二丁目7番第一種市街地再開発事業(プラウドタワー名古屋錦)クラスの再開発は可能だと思われます。

もちろん小学校跡地という公共性を考えると単純にタワマンを建ててスーパーマーケットを誘致してと単純にはいかないでしょうが、都心部に出現する希少な開発用地、地域コミュニティーとの融合を図りつつ高度利用がなされることを願ってやみません。

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