リニア中央新幹線の静岡県内工区の着工をめぐり、JR東海の新社長が静岡県知事と会談し、「田代ダム案」についてJR東海と東京電力が協議することを同県が条件付きで了承するなど、多少なりとも進展があるようにも思えますが、まだまだ先が見えない状況が続いています。
やきもきする状況がずっと続いていますが、静岡県以外の各工区では着々と工事が進んでいます。
今回は名古屋駅東側の建設状況をお伝えします。前回状況をお伝えしたのは2022年4月でした。1年でどう変わったのでしょうか。
前回記事
名古屋駅東側は2つの工区に分かれる
リニア中央新幹線名古屋駅は新幹線や在来線名古屋駅直下にこれらの線路とクロスする形で設けられます。また、2017年4月に開業したJRゲートタワーの地下部分に改札などが設けられるといわれています。
このうち名古屋駅(JRゲートタワー)より東側は「東山線工区」と「東工区」の2つに分けて工事が進められます。
写真で図示してみました。写真中央より少し右にあるダクトがたくさんあるビルが飲食ビル「COLLECT MARK 名駅3丁目」で、このビルの東側の道路を挟んで名駅寄り(写真手前)が「東山線工区」、それより東側(写真奥)が「東工区」です。黄色い点線はリニア駅のだいたいの範囲を示しています。
工事は進んでいないようで進んでいる?
2022年4月と2023年4月の写真を並べてみました。間違い探しのようですが、見比べてみてください。
まず大きな違いとして、道路が付け替えられています。また大型のクローラークレーンや円形タンク、その他さまざまな機材などが搬入されているのがわかります。
道路が付け替えられたことにより中州のような部分が出現しています。下に地下鉄東山線が走っている場所になるのでしょうか。
中央郵便局の交差点からの様子。駅前のロータリーを含め名駅周辺の道路の配置はかなり変わりました。
歩道ルートは2023年4月上旬から変更されています。
背後に大名古屋ビルヂングがあるため大きさを感じさせませんが、かなり大きなクローラークレーンが搬入されています。「COLLECT MARK 名駅3丁目」と同じくらいの高さでしょうか。
円形タンクと左側に見えるのはプラントになるのでしょうか。
この道路から西側(写真右側)が「東山線工区」、東側(写真左側)が「東工区」です。
写真左側の黄色い機械は岐阜県駅の建設現場でも見たような。
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東工区は、道路が通じていて現在は奥まで行くことができます。
道路は称名寺で行き止まりになります。
振り返ると名駅のビル群が。いろいろと情報量の多い写真です。
東工区の東端です。
地中連続壁工から掘削工・支保工へ
今後、地中に鉄筋コンクリートの壁を構築する「地中連続壁工」が本格化するものと思われます。搬入された大型のクローラークレーンはコンクリート壁構築のための鉄筋かごを建て込むためのものだと思われます。
その後、所定の深度まで支保工を設置しながら掘削してく工程に移っていきます。また、東山線工区は地下鉄東山線の直下にリニア駅を設置するために工事用の立坑を設けるなどより複雑な工程で工事が進められていきます。
地上にニョキニョキ伸びていく超高層ビルもいいですが、地下に構築される巨大空間も非常に興味深いです。どうなっていくのか楽しみですね。