リニア中央新幹線

【リニア中央新幹線】中部総合車両基地・現在の状況2022年5月

「中部総合車両基地」は、リニア中央新幹線で唯一となる編成の組み立てや車両のオーバーホールなどを行う車両基地で、岐阜県中津川市千旦林、駒場地区の約50ヘクタールを造成して設置されます。

2021年6月から工事施工ヤードの造成や先行盛土、道水路付替えなどの準備工事が行われ、同年10月から本格的な造成工事が行われています。

高低差のある丘陵地帯を造成するため最大30メートルの盛土が行われるなど大掛かりな工事が行われることになっており、2025年9月の造成完了を目指しています。

リニア中央新幹線「中部総合車両基地」の概要

「中部総合車両基地」には、新幹線車両の留置、検査、整備等を行うため、留置線、検査庫、工場、事務所を設置するほか、編成の組み立てや車両のオーバーホールなどを行う工場が併設されます。

品川-名古屋間では、もう1か所「関東車両基地」が相模原市の「(仮称)神奈川県駅」の近くに設けられる予定ですが、工場が併設されるのは「中部総合車両基地」のみで、リニア中央新幹線沿線で唯一の施設となります。

リニア中央新幹線「中部総合車両基地」の場所と規模は?

リニア中央新幹線「中部総合車両基地」は、「(仮称)岐阜県駅」の東側の丘陵地帯に設けられます。中津川市千旦林、駒場地区の全敷地面積約60ヘクタールのうち、約50ヘクタールを造成して設置されます。

東西が約2,000メートル、南北は最大400メートルの大きさです。東側から西側にかけて緩やかな斜面となった起伏のある地形のため、大規模な盛土や切土を行いフラットな地形に造成します。盛土の最大高さは30メートルにもなるとのことです。

出典:中津川市「リニア関連事業計画図」 ※クリックで拡大します

広域図を見てみましょう。図表中央のやや左下にリニア中央新幹線のルートから外れる形で水色で塗りつぶしてある箇所(⑦)が「中部総合車両基地」です。「(仮称)岐阜県駅」付近に設けられる回送線で結ばれます。

出典:JR東海「中部車両基地の概要」 ※クリックで拡大します

施設の配置図です。工場がもっとも大きな面積を占めています。そのほか、保守基地や検査庫、事務所などが設けられます。

「(仮称)リニアの見える丘公園」の整備構想も!

リニア中央新幹線の開業後、「中部総合車両基地」を観光資源として活用するため「(仮称)リニアの見える丘公園」を整備する構想もあります。

「中部総合車両基地」の北側一帯をリニアの建設現場から発生する約210万㎥の残土処分地としてJR東海が用地造成・土地のかさ上げを行い、そこに道の駅や公園など民間資金を呼び込む形で整備と運営・管理を行うという計画です。

ガイドウェイの制作や保管を行う資材置場が設置される

出典:坂本地域まちづくり推進協議会「中津川資材置場概要」

「中部総合車両基地」から少し離れた場所にリニアの軌道(ガイドウェイ)の制作や保管を行う資材置場が設けられます。恵那峡ロード沿い、中津川市の北部体育館の北側約8.5ヘクタールの規模です。

現地の様子(2022年5月)

建設地北側の工事車両の出入り口です。

鹿島とジェイアール東海建設、飛島建設のJVで工事が進められます。

この場所は建設地の内部、中央部のやや東側になります。立ち退きが済んだ家屋の跡らしきものが残っています。

少し西に歩くとフェンスで囲われた場所が見えてきます。

工事車両が乗り入れられるよう仮設通路が設けられています。

建設地南側中央部、車両基地への資材搬入口です。

現在造成工事中の場所は仮囲いで囲われていますが、道路が高い部分があり内部の様子を見渡せる場所があります。

車両基地のJV事務所です。

この場所からも工事の状況が見渡せます。一部にブルーシートが被せられています。

同じ場所からのアップです。車両進入用の通路が確認できます。それにしても、この地形をフラットにするので、いかに大掛かりな工事かがわかります。

恵那峡ロード付近からの様子。谷になっている部分が残土処分場として埋め立てられ、「(仮称)リニアの見える丘公園」などが設けられるものと思われます。

「中部総合車両基地」から車で5分くらい走った場所にある、ガイドウェイの制作や保管を行う資材置場の予定地です。造成工事が始まっていました。

静岡の水問題解決に明るい兆しか?

今回ご紹介したように少しずつですが“カタチ”が見えてきているリニア中央新幹線。

2027年の開業を目指していますが、静岡県内の「南アルプストンネル」掘削工事の影響で大井川の水量が減少する問題で、事業者であるJR東海と許可権者である静岡県の間での話し合いがこう着状態におちいっており、予定通りの開業はほぼ絶望的な状況になっています。

そこでJR東海は、東京電力が大井川流域の田代ダムで取水している発電用の水を工事による流出量と同じだけ減らして大井川に還元するというウルトラC的な案を繰り出しました。

この案に対し、静岡県の川勝知事は当初否定的な反応でしたが、大井川流域の自治体の首長が好意的な反応を示したことから態度が一転、「検討に値する」とその後の会見で述べています。

今後、県の専門部会で議論が進めば水量問題の解決に向けて明るい兆しが見えてくるのかもしれません。 なんとかこの問題を解決して、工期の遅れをできる限りリカバリーしたうえで、安全に工事を進めていただき、早期開業に漕ぎつけてほしいと思います。

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