名古屋市港区の名古屋競馬場の跡地に整備される計画であった2026年アジア大会の選手村の建設が見送られることになりました。
物価高などにより膨張する大会経費を圧縮するためとのことです。
前回記事
2段階で整備が行われる予定だったが…
選手村の整備断念の一報が流れた翌日、2023年3月26日(日)の現地の様子です。場外馬券場など一部の施設は残されているほかは解体が進み広大な更地が出現しています。
当初の計画では、競馬場跡地は先行して分譲マンションなどが建設され、2026年に開催される第20回アジア競技大会(アジア大会)の選手村として活用されたあと、商業施設や戸建て住宅、高校などの施設の整備が行われるという2段階の工程で行われる予定でした。
しかし、当初850億円と見積もられていたアジア大会の経費は物価高などの影響により大幅に膨らむ見通しとなり、なかでも300億円と見込んでいた選手村の整備費用が2倍程度になると試算されたことから選手村の整備が見送られることになりました。
選手村の代わりとして、愛知県内のホテルや研修所などを借り上げて対応するとのことです。
選手村の整備や大会後のまちづくりについては、2022年8月31日に愛知県・名古屋市と中部電力などの事業者との間で基本計画協定が締結されています。
中部電力の社長は、マスコミの取材に対して「利用していい街づくりに貢献していきたい」「土地の売買など愛知県や名古屋市と協議を開始していく」とコメントしています。
ただ、選手村という前提が崩れてしまったため、計画自体も大きく狂う可能性があります。
大規模なスポーツイベントの意義とは?
個人的には、膨張する大会経費を削減するために選手村の整備を見送るという決断は評価したいと思います。
一方で、SNSなどでは愛知県でのアジア大会の開催自体に疑問を呈する声も多くみられます。
ただ、アジア大会を契機としてパロマ瑞穂スタジアムや愛知県新体育館が整備されるなど、老朽化した施設の更新が促されるという効用も無視するわけにはいかないのではないでしょうか。
関連記事
名古屋競馬場跡地についても、ゼロベースで計画が見直され、よりよいまちづくりが進められることを期待したいと思います。