2024年7月4日の日本経済新聞中部版に「熱田神宮駅前、周遊促す『門前町に』 再開発構想」という記事が掲載されました。
年間700万人もの人々が訪れる名古屋有数の観光地である熱田神宮の近くにありながらシャッター通りとなっている神宮前商店街と再開発の失敗により長年放置されている熱田区役所南側の更地が一体で開発される可能性が出てきました。
折しも名古屋鉄道が進めている名鉄神宮前駅西街区再開発「あつたnagAya」が9月1日に開業します。
名古屋鉄道も行政が行う再開発と連携して熱田神宮エリアの活性化に取り組むことを表明しており、将来的には名古屋版の“おかげ横丁”や“おはらい町”が実現する可能性があります。
整備計画の概要
日本経済新聞に掲載された内容を簡単にまとめます。
- 名古屋市は「神宮前商店街」の建て替えに向け、収支計画や権利変換計画を2024年度中にまとめる
- 建て替えは名古屋市が進めようとしている駅前再開発構想の一環。大型観光バスが停められる駐車場やロータリー、飲食店や土産店の整備なども盛り込むとともに熱田神宮の周りに少ないとされる宿泊施設の誘致も検討
- 大津通の活用方法も検討。道路の幅を狭めて片側1車線化したり、駅前を広場にしたりということも検討
この記事のとおりであれば、計画は水面下でそれなりに進んでいることになるのでしょうか。
現地の様子(2024年7月)
名鉄神宮前駅では「あつたnagAya」の工事が9月1日の開業を目指して大詰めを迎えています。この施設については別記事で取り上げる予定です。
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「あつたnagAya」の向こうに神宮前商店街が広がっています。
熱田神宮への参拝路とは方向が違うため、観光客の回遊を促すことができていません。
歩いたのは平日の昼間ですが、やはり閑散としていました。
神宮前商店街の裏側には広大な市有地が広がっています。この部分、以前の取材時はコロナのPCRの無料検査場があったような気がしますが、現在はチャリチャリのステーションになっていました。
その市有地です。本格的に再開発に取り掛かる前に社会実験的に大型観光バスの駐車場を作ったらよいのではないかと思うのですが、どうなのでしょうか。
こちらはJR熱田駅から線路を挟んで東側にある旧住宅展示場のMTG社の更地です。相変わらず動きはありません。
せっかく熱田に来たので運気向上を願って熱田神宮にお参りをしてきました。
名古屋観光の目玉となるポテンシャルあり?
先ほどの日本経済新聞の記事によると、コロナ禍前の2019年の伊勢神宮(内宮・外宮合計)の参拝者数が972万人であったのに対し、熱田神宮の参拝者数は740万人とそこまで大きな差がないとのことです。
そういった意味では名古屋でも随一のポテンシャルを秘めた場所であるといえそうです。もう少し時間はかかるかもしれませんが、名鉄の再開発とも相乗効果を発揮して、名古屋版の“おかげ横丁”や“おはらい町”のような場所になっていくことを願ってやみません。