「ホテルナゴヤキャッスル」の跡地に建設中の「(仮称)エスパシオ ナゴヤキャッスル」について、運営会社の親会社である興和の三輪社長は、日経新聞のインタビューで「100万円以上の部屋もある。150万、200万、300万円も予定している」と語り、ホテル格付けで一般的に最上級の五つ星を上回る「六つ星、七つ星を目指す」としました。
「(仮称)エスパシオ ナゴヤキャッスル」の概要
「ホテルナゴヤキャッスル」は、1969年10月に開業、名古屋を代表する高級ホテルのひとつとして営業してきましたが建物の老朽化や耐震の問題などもあり、2020年9月末をもって閉館、51年間の歴史に幕を閉じました。
その後、約1年をかけて旧ホテルの解体が行われ、2021年11月ごろから新ホテルの建設工事が始まっています。
ホテルの概要は?
「(仮称)エスパシオ ナゴヤキャッスル」は興和の子会社であるエスパシオエンタープライズ株式会社により2025年春の開業を目指して建設が進められています。
愛知県と名古屋市が行っている高級ホテル立地促進補助金の適用第1号となった栄地区の「TIAD」に引き続き、栄広場の「コンラッド名古屋」とともに補助金の適用対象となり最大20億円の補助金が交付される予定です。
建物は地上11階、地下2階建てで高さは44.8m、延床面積は43,631.02平方メートル、客室数は108室でうちスイートルームは30室、平均客室面積は65.36平方メートルです。これはTIAD(平均51平方メートル)やコンラッド(同62平方メートル)を上回るとのことです。
また、バンケットルーム(宴会場)が1室(1,780平方メートル×1室、340平方メートル×1室)、日本料理・中国料理・スペシャリティ等のレストラン、バー・ラウンジ・クラブラウンジ、スパやフィットネスジム・屋内プールなどが設けられるとともにコンシェルジュデスクやバレーパーキングといったサービスも行われ、超高級ホテルに相応しい設備とサービスを兼ね備えることになります。
興和の三輪社長が描く青写真とは?
冒頭で触れた日経新聞の記事によると、三輪社長は「100万円以上の部屋もある。150万、200万、300万円も予定している」と話しており、いままで名古屋になかった超高額帯のラグジュアリーホテルが出現します。
興和は2019年に米国ハワイに「エスパシオ・ザ・ジュエル・オブ・ワイキキ」という高級ホテルを開業させ、1フロアに1室のみ、各部屋は200平方メートル強という構成で、2022年にはフォーブスのホテル格付けで五つ星を獲得しているとのことです。
三輪社長はホテル格付けについて一般的に最上級の五つ星を上回る「六つ星、七つ星を目指す」とし、ホテルから名古屋城のライトアップも計画しているとのことで、「中部地方にない、日本でも珍しいホテルにする」と語っています。
現地の様子(2023年1月)
1619年に建てられ重要文化財にも指定されている西北隅櫓とホテル建設現場の様子です。
お堀に佇む水鳥とホテル建設現場。これだけの借景のある立地は希少です。
建設現場の奥には名駅の超高層ビル群がそびえ建ちます。
建設地北東側からの様子。多くの重機が稼働しています。
現在は地下部分の躯体工事が進められているようです。
南東側からの様子。コンクリートミキサー車が行きかっています。
写真右側に名古屋城天守が見えます。天守の木造復元工事も早く進んでほしいものです。
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設計監理は日建設計、施工は竹中工務店が担当します。
南側からの様子。地上部分の躯体が構築されるのはもう少し先のようです。
こちらにも重機があります。
これは「(仮称)エスパシオ ナゴヤキャッスル」の工事とは別で名古屋市が進める堀川の護岸工事です。
唯一無二のラグジュアリーホテルへ
日経新聞のインタビューで三輪社長は名古屋観光ホテルについても言及しています。
名古屋観光ホテルについては、「あと10、20年は建て替えなしで持つようなホテルにする」とし、ホテルに近い南西側の土地にプールやエステなどが入る新しい建物を建設します。(下記関連記事の後半に建設地の様子を掲載しています。)
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となると、名古屋観光ホテルとエスパシオナゴヤキャッスルの棲み分けを図る必要があり、エスパシオナゴヤキャッスルの超高級路線というのもうなずけるところです。
絶好のロケーションと城郭風の特徴ある外観をまとったラグジュアリーホテル。唯一無二の存在となる可能性を秘めているのかもしれません。