愛知県豊川市のスズキ豊川工場の跡地で工事が進められている大型ショッピングモール「イオンモール豊川」。 2023年2月6日にイオンより4月4日(火)にグランドオープンすることが公表され、出店テナントも明らかになりました。
2023年2月初旬現在、建物の外観はほぼ完成し、仕上げ工事や周辺道路の拡幅工事が行われ、1か月半後に迫った開業に向け、ラストスパートといった状況となっています。
前回の取材が2022年4月でしたので10か月ぶりの取材となります。
前回記事
「イオンモール豊川」の概要
「イオンモール豊川」が建設される場所にはかつてスズキの豊川工場があり、二輪車や船外機の生産を行っていました。しかし、国内での生産体制の見直しのため、二輪車は浜松工場へ、船外機は湖西工場へ移管されることになり、2018年7月に生産が終了していました。
東三河地方初の大型ショッピングモール!
豊川市の属する東三河地方にはこれまで大型ショッピングモールが立地しておらず、「イオンモール豊川」は東三河地方初の大型ショッピングモールとなります。
広域的に見ると東にはイオンモール浜松志都呂(浜松市西区)、西にはイオンモール岡崎(岡崎市)があります。
これまで東三河地方在住者は車でこれらのショッピングモールまで出かけることが多かったと思われますが、「イオンモール豊川」の開業により地元で用を足せることになり、三河地方や遠州地方西部の商業地図が大きく塗り替えられることになります。
商圏図です。基本商圏は約10キロメートル圏内の約17万世帯、約43万人の人口としています。
幹線道路から好アクセス、鉄道駅からも歩いていける距離
「イオンモール豊川」は、豊川市中心部から西に約3キロメートルの場所に立地しています。国道1号から東に約600メートルと自動車でのアクセスが良好な場所に建設されています。
また、郊外型の大型ショッピングモールとしては比較的珍しいのですが、鉄道駅からも近く、名鉄豊川線の「八幡」駅から約400メートルの場所にあります。
名鉄豊川線は、2021年10月のダイヤ改正で昼間時間帯(11時~14時)の本数が毎時4本から2本に減便されていましたが、少なくとも「イオンモール豊川」の開業時には増便対応が図られる見通しです。
大型アウトドア用品店など約190の専門店が出店
規模について見てみましょう。約12.8万平方メートルの敷地に地上3階建て、延べ床面積は約11.3万平方メートルです。約190の専門店が入り、駐車台数は約3,000台です。
最近のイオンモールの特徴でもあるのですが、にぎわい創出のため、スポーツやアウトドア体験ができる屋外広場や交流拠点としてのガーデンスペースなどが設けられます。
核店舗は『“地域最大級”の食品売場とベビー用品を揃える“最新型”総合スーパー』を標榜する「イオンスタイル新豊川」です。“新”がついているのは、東に約3キロメートルの場所に「イオン豊川店」があるからだと思われます。
サブ核店舗として「ユニクロ/ジーユー」、大型アウトドア用品店の「スポーツオーソリティ+アウトドアステージ」や「本の豊川堂×nido café」、「ヤマダデンキ テックランド」、カプコンが運営するアミューズメント施設「MIRAINO」が展開します。
名称 | イオンモール豊川 |
所在地 | 愛知県豊川市白鳥町兎足1-16 |
敷地面積 | 約128,000㎡ |
延床面積 | 約113,000㎡ |
総賃貸面積 | 約63,000㎡ |
建物構造 | 鉄骨造地上3階建 |
駐車台数 | 約3,000台 |
駐輪台数 | 約1,200台 |
設計・施工 | 清水建設 |
開店日 | 2023年4月4日(火)グランドオープン |
現地の様子(2023年2月)
名鉄豊川線八幡駅のホームからの様子。豊川市民病院の向こうにイオンモール豊川はあります。
おなじ場所からズームしてみました。駅からモールの入り口までは約400メートルで、徒歩5分程度です。
北東側の市民病院東交差点からの様子。
もう少し南側に歩いてみます。
モールの2階中央部に設けられる「CENTRAL PARK」を覆う大屋根が外観上の特徴となっています。
道路の拡幅工事が進められています。イオンモール土岐もそうでしたが、オープン後しばらくは渋滞を覚悟しなければならなさそうです。
スズキの工場の跡地だけあって、大きめのスズキアリーナ(スズキの自動車販売店)も併設されます。
敷地南側の白川沿いには遊歩道が設けられます。
南側からの様子。外階段の多さが気になります。
高所作業車でエキスパンジョイントを取り付けているのでしょうか。工事は最終的な仕上げ段階にあるようです。
敷地の南西側には鉄塔が設けられ特別高圧の電気を直接取り込みます。
敷地西側でも道路の拡幅工事が進められています。
駐車場の案内版も設置され、稼働を待つばかりとなっています。
菟足(うたり)交差点からの様子。どちらかというと裏側になると思われますが、立派な構えです。
駐車場の屋根上にはソーラーパネルが設置されています。その発電容量は1,300kWで、一般家庭の約350世帯分、商業施設として国内最大級のソーラーカーポートになるとのことです。
救急指定されている大病院に隣接する大型ショッピングモールということで緊急車両の走行が心配ですが、十分な対策が練られているのでしょう。
イオンモール豊川の北東側にある日立製作所豊川事業所の跡地です。この場所は豊川市が取得しており、敷地の一部は大和ハウス工業に売却され戸建て住宅が分譲されるとともに市の新文化会館などが建設される予定ですが、イオンモール豊川の開業当初は一時的に臨時の駐車場として使用されるようです。
グランドオープンは4月4日です。開業後、あらためてレポートしたいと思います。