2024年2月29日をもって閉店した千種区今池5丁目の「イオン今池店」。
1969年11月に「ダイエー今池店」として開業し、54年もの長きにわたり営業を続けてきましたが老朽化が著しいことから惜しまれつつ閉店となりました。
同店の跡地はマンションデベロッパーである総合地所ほか2社が取得したことが明らかになっています。
となると、低層階にイオンの後継店舗が入る形での複合マンションになる可能性が高そうですが、どうなるのでしょうか。
2024/7/18 追記
今一度、詳しく調べてみたところ、新たな事実がわかりました。新たに書き加えた部分は赤字で記載します。
総合地所ほか2社が跡地の約半分を取得
跡地の約半分を取得したのは、総合地所とJA三井リース、関電不動産開発の3社です。
このうち総合地所は長谷工コーポレーション、関電不動産開発は関西電力の子会社のデベロッパーで、JA三井リースはJAグループと三井グループを基盤とする総合リース会社です。
総合地所は「ルネ」シリーズ、関電不動産開発は「シエリア」シリーズで、それぞれ分譲マンション事業を展開しています。
デベロッパー2社と総合リース会社1社がタッグを組み、企画面・資金面とも盤石なプロジェクトになりそうです。
(2024/7/18 追記)
跡地の約半分という部分について説明します。
登記を調べたところ、イオン今池店の跡地は3つの土地(不動産の世界では「3筆の土地」といいます)に分かれていました。このうち、上記3社が取得したのは東側の約半分で、西側の約半分はイオンリテールが所有権を持ったままでした。
また、跡地の西側を取得した3社のうち、持ち分を最も多く持っているのがJA三井リースで50/100、続いて関電不動産開発が45/100、総合地所は5/100でした。
後述しますが、総合地所がわずかながらも持ち分を取得したのは、同社が南側に建設を予定しているマンションとの絡みだと思われます。
跡地は複合マンション?
一番の関心ごとは跡地がどうなるかですが、デベロッパー2社と総合リース会社1社が土地を購入したということで、分譲マンションが建つ可能性が高そうです。
前回の記事ではイオンリテール主導で「そよら」のような商業施設ができるのではないかと予想していましたが、見事に外れそうです。
前回記事
では、その分譲マンションがどのような形態になるのかですが、当ブログとしては、低層部分にイオンが入る形での複合マンションになるのではないかと予想します。
根拠ですが、2024年2月26日に提出された「大規模小売店舗立地法に基づく廃止の届出」において、廃止する理由として“店舗建替え”としていること、周辺で分譲マンションが増え、居住人口が増加しているなかで店舗立地としては好条件の場所で他の場所に移転する理由がない、といったところでしょうか。
(2024/7/18 追記)
跡地の西側約半分はイオンリテールが持ったままなので、商業施設ができることは間違いなさそうです。土地の所有権が別々になってしまっているので、どのような形態になるのかはわかりませんが、敷地の有効利用という観点からはやはり複合マンションになる可能性が高いのではないでしょうか。
いずれにしても詳しいことが明らかになるのはもう少し先になりそうです。
現地の様子(2024年7月)
北西側からの様子。全面が防音パネルで覆われています。
かつて正面入口だった部分も面影がなくなっています。
労災保険関係成立票の期間は2025年2月28日までとなっており、そのころまで解体が続くようです。
店舗南側の駐車場だった場所にプレハブの現場事務所が設置されています。資材置場としても用いられそうです。
(2024/7/18 追記)
店舗南側の駐車場部分の土地はイオンリテールから総合地所が購入しています。また、最初の取材時には見逃していたのですが、「(仮称)千種区今池駅前計画 新築工事」として建築計画の概要が掲出されていました。
(2024/7/18 追記)
後追い取材した際の写真です。総合地所単独で15階建てのマンションを建設します。2024年8月下旬着工予定です。
こちらに15階建てのマンションが建つとイオン今池店跡地に建設されるであろうマンションの眺望が遮られることから、調整を図るため総合地所がイオン今池店跡地の共有持ち分の一部を取得したのではないかと思うのですがどうなのでしょうか。
旧イオン第1駐車場は一部にシートがかけられているもののとりあえず建物はそのまま残っています。面積的にはちょっとしたマンションが建ちそうな感じで、こちらも今後どうなっていくのかが気になります。
(2024/7/18 追記)
こちらの駐車場については、イオンリテールや総合地所などと全く関係のない個人と法人が所有していることがわかりました。当面は駐車場として使われる可能性が高そうです。
東側で建設中の分譲マンション「プレサンス レイズ 千種今池」。15階建て、総戸数56戸の1LDK主体の都心型コンパクトマンションです。イオン今池店の跡地に建てられるであろう分譲マンションはもう少し違った商品設計になりそうです。