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高島屋南地区第一種市街地再開発事業「柳ケ瀬グラッスル35」(「ライオンズ岐阜プレミストタワー35」)現在の建設状況・2022年6月

高島屋南地区第一種市街地再開発事業は、岐阜市最大の繁華街・歓楽街である柳ケ瀬で高島屋南市街地再開発組合が施行者となり進められている再開発事業です。

この事業で建設される再開発ビルは地下1階・地上35階建て、高さ132.64メートル、商業施設や公益的施設、分譲タワーマンション「ライオンズ岐阜プレミストタワー」などで構成される複合用途の超高層ビルで、2020年8月に「柳ケ瀬グラッスル35」と名称決定されています。

高島屋南地区第一種市街地再開発事業「柳ケ瀬グラッスル35」(「ライオンズ岐阜プレミストタワー35」)の概要

柳ケ瀬という地名はその昔、美川憲一が「柳ヶ瀬ブルース」を大ヒットさせたことにより一定年齢層以上の人々を中心に全国的な知名度を有します。

商店街一円にはアーケードが張り巡らされ、規模は東海地方で随一を誇ります。往時は県外からも広域的に集客していましたが、JRセントラルタワーズの開業などによる名古屋地区への顧客流出や郊外型大型ショッピングセンターとの競合により客足が減少、さらには2005年に路面電車である名鉄岐阜市内線が廃止され鉄道駅からのアクセスが不便になったことが衰退傾向に拍車をかけています。

また柳ケ瀬地区は戦後発展した商店街であり、土地の細分化や建物の老朽化の進行により、生活環境の改善や防災性の向上など土地の有効活用が課題となっていました。

今回再開発が行われる高島屋南地区では昭和の時代から活性化に向けた協議が行われていたようです。2000年にまちづくり協議会が、2002年には再開発の準備組合が設立され、2003年には都市再生特別措置法に基づく「都市再生緊急整備地域」(岐阜駅北・柳ケ瀬通周辺地域)に指定され法的なバックアップも得られました。

その後、2007年に岐阜市中心市街地活性化基本計画に高島屋南地区第一種市街地再開発事業が位置付けられ、2011年には都市計画決定、2014年に再開発組合が設立、関係者の長年の努力が実り2019年に工事着工されています。

出典:高島屋南市街地再開発組合

「柳ケ瀬グラッスル 35」という名称は公募により決められました。「グラッスル」は、「GLASS(ガラス)」、「GRASS(緑)」、「CASTLE(城)」を掛け合わせた造語です。

再開発ビルには、清流長良川のようなガラス張り(GLASS)の壁面や自然豊かな岐阜をイメージさせる緑(GRASS)がふんだんに施されており、金華山にそびえる岐阜城のように、まちなかにそびえる新たな城(CASTLE)として次代の柳ケ瀬のランドマークになってほしいとの願いが込められているとのことです。

出典:高島屋南市街地再開発組合 ※クリックで拡大します

完成イメージと階層ごとの用途図です。1~2階は商業施設、3~4階は公益的施設、5~35階は分譲タワーマンション「ライオンズ岐阜プレミストタワー」となります。

現地には「商業施設テナント募集」と大々的に掲げられています。いまのところ商業施設の入居テナントは決まっていないようです。

公益的施設は岐阜市が整備するもので、3階が「ウゴクテ」という愛称の健康運動施設、4階が「ツナグテ」という愛称の子育て支援施設が設けられます。

上層階の「ライオンズ岐阜プレミストタワー」については、参加組合員である大京と大和ハウス工業のそれぞれのマンションブランドである「ライオンズ」と「プレミスト」の名が冠せられています。

マンションの専有面積は46.90平方メートル~156.32平方メートル(1LDK~4LDK)で、総戸数は335戸(うち地権者住戸36戸)です。価格帯は約2,500万円から最上階は約1億9千万円で、新聞報道によると2022年4月時点で6割程度が売れているとのことです。

柳ケ瀬グラッスル35の概要です。

事業名称高島屋南地区第一種市街地再開発事業
施行者高島屋南市街地再開発組合
再開発ビルの名称柳ケ瀬グラッスル 35
所在地岐阜市徹明通二丁目18(地番)
交通名鉄名古屋本線「名鉄岐阜」駅徒歩 11 分、JR 東海道本線「岐阜」駅 徒歩 13 分
敷地面積6,467.47㎡
建築面積5,718.92㎡
延床面積57,790.65㎡
高さ128.39m(塔屋まで132.64m)
構造・規模鉄筋コンクリート造一部鉄骨造
階数地上35階・地下1階
主要用途住宅、公益的施設、商業施設、駐車場
設計・施工戸田建設
参加組合員大京、大和ハウス工業
着工2019年3月
竣工予定2023年2月

現地の様子(2022年6月)

建設地南西側、金町5交差点からの様子。建物は2022年3月1日に上棟済みですでに最高部に達しています。

「柳ケ瀬グラッスル35」の高さ132.64メートルは「岐阜シティ・タワー43」(高さ約163メートル)、「岐阜スカイウイング37」(高さ約136メートル)に続く岐阜県で3番目に高い建物です。岐阜の超高層ビルは「(ビル名)+階数の数字」という法則があるようです。

建設地の南側には金色の鳥居が輝く金神社(こがねじんじゃ)があります。

金神社に隣接する金公園では再開発事業に合わせて再整備が行われています。

建設地の南東側、劇場通のアーケード入口の様子です。

アーケード街に入りましょう。

「柳ケ瀬グラッスル35」は劇場通のアーケードにも商業施設部分が面します。果たしてどのようなテナントが入るのでしょうか…。

柳ケ瀬地区にはかつて岐阜近鉄百貨店や長崎屋岐阜店など5店舗の大型商業施設がありましたが、商業環境の悪化により徐々に撤退、最近ではドン・キホーテ柳ケ瀬店が2020年10月に閉店しています。そのなかで唯一気を吐いているのが岐阜タカシマヤです。

実は岐阜タカシマヤが入るビルも「柳ケ瀬地区第一種市街地再開発事業」という昭和50年代初めに行われた再開発事業で建てられたものです。高さでは「柳ケ瀬グラッスル35」に及びませんが現在でも存在感を発揮するとともに柳ケ瀬で重要な地位を占めています。

「ライオンズ岐阜プレミストタワー」は岐阜の都心部にあって自走式の立体駐車場が設けられるのがアピールポイントになっているようです。

少し歩くと人気(ひとけ)がないシャッター街に…。これも柳ケ瀬のもうひとつの現実です。

商業テナント誘致とマンション完売が柳ケ瀬地区の今後を占う?

柳ケ瀬地区に出現した超高層ビル。地権者をはじめとする多くの関係者の長年の努力の結晶ともいえます。

ビル自体は上棟しており、仕上げ工事を経てあとは完成を待つばかりです。今後は1、2階部分の商業テナントの誘致とマンションの完売が焦点となりそうです。この2つが成功すれば、柳ケ瀬地区でさらなる再開発が続くきっかけとなるかもしれません。

柳ケ瀬再興の起爆剤となることを期待したいと思います。

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