第一生命保険、鹿島建設、ノリタケカンパニーリミテドの3社は、2022年11月11日、名古屋市中区新栄町2丁目で計画する「(仮称)S2計画」について、事業内容の合意に至るとともに名古屋市から総合設計制度の許可が下りたことによりプロジェクトが本格始動したことを公表しました。
これに伴いパースも公表されています。前回の取材は7月でしたので4か月ぶりの取材となります。
前回記事
ノリタケの食器から着想した外観に!
「(仮称)S2計画」は第一生命保険、鹿島建設、ノリタケカンパニーリミテドの3社が協力し、一体となって取り組んでいる計画で、3社の土地を一体的に開発し施設を共同使用することで、名古屋市総合設計制度における「敷地共同化」の特例を活用します。
3社の土地を共同使用することにより、広小路通と錦通の二方に面する約3,400平方メートルの土地が出現、そこに延べ床面積40,173.01平方メートル、地上19階・地下1階建て、高さ99.90メートルのオフィスビルが建設されます。
今回公表されたパースです。空に高く伸びる縦基調としつつ、事業者の1者であるノリタケの食器から着想し、ボーンチャイナを連想させる温もりのある色調や角部の柔らかな曲線美を取り入れているとのことです。
広小路通側からと思われるパースです。広小路通・錦通・武平通という3つの前面道路に面する公開空地が整備され、ゆとりある歩行者空間が提供されるとともに、南側は広小路通のにぎわいに寄与する憩いの場が整備されます。
また、北側は愛知芸術文化センター方面から人の流れを呼び込むような広場とし、西側は歩道を拡充することで、錦通側の文化・芸術エリアと広小路通側の商業エリアをつなぎ、ウォーカブルなまちづくりに貢献するとのことです。
「(仮称)S2計画」の概要は以下のとおりです。
名称 | (仮称)S2計画 |
敷地の地名地番 | 名古屋市中区新栄町2丁目1番、2番、13番、14番、15番 |
用途 | 事務所、店舗、自動車車庫 |
構造 | 鉄骨造、一部鉄骨鉄筋コンクリート造 |
高さ | 99.90m |
階数・棟数 | 地上19階 地下1階 2棟 |
敷地面積 | 3,418.76㎡ |
建築面積 | 2,265.60㎡ |
延べ面積 | 40,173.01㎡ |
工期 | 2023年6月着工~2026年3月竣工 |
建築主 | 第一生命保険、鹿島建設、ノリタケカンパニーリミテド |
設計者 | 鹿島建設中部支店一級建築士事務所 |
工事施工者 | 鹿島建設中部支店 |
現地の様子(2022年11月)
建築計画の概要です。2022年7月4日に掲出されました。
広小路通側からの様子です。こちら側には「栄第一生命ビルディング」がありましたが、解体がかなり進んでいます。先ほどのパースとほぼ同じ方向ですが、憩いの場が設けられるとのことで、かなり開放感のある空間に生まれ変わりそうです。
錦通側からの様子。“愛知芸術文化センター方面から人の流れを呼び込むような広場”が設けられることで人の流れが変わりそうですが、この交差点、歩行者用信号が変わるまで長い印象があります。ペデストリアンデッキを設けて、芸術文化センターから信号を渡らずに直接新ビルに来られるようにできればもっと利便性が高まると思うのですが、難しいのでしょうか。
3棟一体として解体が進んでいます。暖かくなるころには更地が出現することになりそうです。
背後に中日ビルを望みます。「(仮称)S2計画」の竣工は2026年3月の予定で、これは「(仮称)錦三丁目25番街区計画」(栄広場再開発)とおなじタイミングです。99.9メートルであればほぼ超高層ビルといって差し支えないので、2026年には栄中心部の比較的狭い範囲に3棟の超高層ビルが建ち並ぶことになります。楽しみですね!
その後の様子