名古屋城天守閣の木造復元について、新聞の一面を飾る大きな動きがありました。
2022年12月5日の中日新聞朝刊に「名古屋城天守に昇降機 木造復元で名古屋市が導入方針決定」という記事が掲載されました。
三菱重工子会社の提案を採用
記事によると、三菱重工子会社の「MHIエアロスペースプロダクション」の技術を採用し、各階ごとに昇り降りができるかご型の装置を開発するとのことです。
この「MHIエアロスペースプロダクション」という会社、空港にある、地上から航空機に搭乗するためのパッセンジャーステップなどを作っているほか、身近なところでは足踏み式の消毒液スタンドを作っていたりといろいろやっている会社のようです。
同社のウェブサイトに12月6日付けで名古屋城木造天守の昇降技術に関する公募に選定されたというニュースリリースが掲載されています。
そのなかに掲載されている搭乗イメージ図です。
正直、かご内の様子だけしか描かれておらず、どのような仕組みになって昇降するのか明らかにされていないため、どのような技術的優位点があったのかは不明ですが、きっと革新的な設備になるのでしょう。
障害者団体は反対するが…
報道によると、今回示された小型昇降機の導入方針について、愛知県の障害者団体が撤回を求めて名古屋市に要望書を提出したとのことです。
理由としては、「一部の車いすが利用できない」というもので、「多くの障害者に対する人権侵害だ」と抗議しているとのことです。
当ブログとしては、今回小型昇降機の設置が検討されることについて、史実に忠実な復元とバリアフリー対応の両立への現実的な落としどころとして妥当な方針であると考えます。
この障害者団体の主張についてわからないこともないのですが、彼らの視点に完全に抜け落ちているのは、城郭に対するリスペクトや木造復元を待ち焦がれる多くの市民の声なき声ではないでしょうか。
人権を声高に叫んで自分たちの主張を一方的に押し通そうとしても多くの人の賛同を得ることは難しいと思います。
一日もはやい木造復元の実現を期待!
名古屋城の天守閣が入場禁止となったのは2018年5月のことであり、すでに4年半も経過しています。
名古屋観光におけるキラーコンテンツである名古屋城のシンボルである天守閣が何年も入場できないというのは異常事態以外のなにものでもありません。
当初の計画では、そろそろ完成していてもおかしくなかったのですが、いっこうに先行きが見通せません。
これについては最初の段階で拙速にものごとを進めようとした市長の責任も重いものと考えます。
バリアフリーの問題を解決したとしても、石垣の問題、建築基準法との整合性、文化庁との協議など課題は山積みです。
しかし、唯一無二の国宝級の城郭の木造復元は名古屋のプレゼンスを飛躍的に高める可能性を秘めています。一日もはやい木造復元の実現を期待したいと思います。