リニア中央新幹線

【リニア中央新幹線】長野県駅(仮称)・現在の状況2023年1月

リニア中央新幹線の「長野県駅(仮称)」は、長野県南部にある飯田市の上郷飯沼地区に地上駅として設置されます。

2022年12月22日に長野県の阿部知事やJR東海の金子社長が出席し起工式が開催されました。リニア中央新幹線の駅の着工は5番目、地上駅としては岐阜県駅に続き2番目となります

どんな駅になるのか、現地の現在の状況と併せてお伝えします。

リニア中央新幹線「長野県駅(仮称)」の概要

まず、長野県駅が飯田市に設置されることになった経緯を簡単に振り返っておきましょう。

リニア中央新幹線が計画された当初、南アルプスにトンネルを掘ることが技術的に難しかったことから、南アルプスを迂回する形で諏訪地域を経由し木曽谷を通る「木曽谷ルート」(Aルート)、伊那谷を通る「伊那谷ルート」(Bルート)の2案があり、「伊那谷ルート」が有力とされていました。

しかし、東海北陸自動車道飛騨トンネルの貫通などにより技術的な目途が立ったことから、JR東海はコスト面や所要時間の面で有利な「南アルプスルート」(Cルート)を推進することになり、結果的に沿線自治体も「南アルプスルート」を受け入れました。

このような経緯から、ルート上に位置する飯田市に長野県駅が設置されることになりました。

リニア中央新幹線「長野県駅(仮称)」の場所は?

リニア中央新幹線「長野県駅(仮称)」は、飯田市の中心市街地から北東方向に約3.5キロメートルの上郷飯沼地区に建設されます。

同地区は東方に天竜川が流れ、西方にはJR飯田線が南北に走っています。また、国道153号線も南北を貫いており、国道沿いにはイオン飯田店をはじめとして、チェーン店などが立地しています。

上郷飯沼地区のJR飯田線と国道153号、そして土曽川に三方を囲まれた一角に建設予定地があります。

JR飯田線に乗り換え新駅を作る計画もありましたが、新駅の建設に反対する市長が当選したことにより現在は新駅建設の案は消え、最も近くにある元善光寺駅との間に新交通システムを導入する案が検討されています。

駅の配置図です。複数の広場や駐車場などのほか、信州・伊那谷の魅力を発信する施設なども設けられる計画です。

現地の様子(2023年1月)

駅予定地の南東側、国道153号の北条交差点からの様子。国道は現在片側1車線ですが、拡幅される計画です。

店舗の閉店、解体が進んでいるようです。

駅予定地の北東側からの様子です。取材に訪れたのが夕方だったので逆光になってしまいました。かなり広大な更地になっています。

国道を裏に入ると住宅街になっていますが、こちらも立ち退きが進んでいるようです。

リニア中央新幹線の軌道は南アルプスへと向かっています。地上駅である長野県駅付近は希少な明かり区間となります。

伊那谷は天竜川の河岸段丘になっているので天竜川右岸にある駅予定地は東向きの傾斜地になっています。したがって、西の方へいくほど土地が高くなります。

飯田線の乗り換え新駅が計画されていた場所です。傾斜と距離があるので、連絡通路を設けるにしても大掛かりな工事になっていたでしょう。

駅予定地の一角にめずらしいハンバーガーの自販機を見つけました。温まったものが出てくるわけではなく、家でチンするようです。

盛り土の工事が進められています。駅の工事ではなく道路の工事のようです。

駅予定地の南西端のあたりです。

JR飯田線の元善光寺駅です。「長野県駅(仮称)」からこの駅まで、なんらかの新交通システムで結ばれる計画です。

中央自動車道の座光寺パーキングエリアに併設された座光寺スマートインターチェンジです。2021年3月に供用が開始されました。長野県駅の最寄りインターチェンジとなります。全長12メートルまでの車両が通過できるので一般的な大型バスであれば問題ありません。

今後もリニア中央新幹線の他駅と併せて長野県駅の建設状況についてもお伝えしていきたいと思います。

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