ミュージアム

【金シャチ横丁】第2期整備で「名古屋城博物館(仮称)」建設へ!

名古屋城下に名古屋めしを中心とした飲食施設が建ち並ぶ「金シャチ横丁」について、第2期整備として博物館が設けられる構想があります。

博物館の名称は「名古屋城博物館(仮称)」であり、老朽化が進み移転が予定されている東海農政局の跡地に整備される予定です。

名古屋市は構想の策定業務について民間のシンクタンクとの間で業務委託契約を結び、今後構想が具体化していくことになりそうです。

「金シャチ横丁」第2期整備の概要

名古屋市は、名古屋城やその周辺の魅力の向上と賑わい創出、国内外からの来訪者へのおもてなしと名古屋の魅力発信を目的に金シャチ横丁計画を推進しています。

2018年3月に第1期事業として、名古屋城正門側に定番・老舗の名古屋めしが集結する『義直ゾーン』、東門側に名古屋の新しい食文化を発信する新進気鋭の店舗が集結する『宗春ゾーン』という名古屋の食文化を楽しめる2つの飲食ゾーンが開業しました。

金シャチ横丁計画はこれで終わりではなく、引き続き第2期整備事業として、前期に来場者が弁当などの食事をとりながらくつろげる芝居小屋風多目的施設の整備を、後期に名古屋城や尾張名古屋の武家文化などについて理解を深める博物館を中心とした、学びと観光の総合ゾーンの整備を計画しています。

このうち、芝居小屋風多目的施設は、現在BBQパークとして利用されている場所が想定されており、中日新聞の報道によると無料休憩所と演芸場に切り替えが可能な施設となり2025年度の開業を目指すとのことです。

出典:中部地方整備局 名古屋第4地方合同庁舎【官庁営繕事業】説明資料

博物館は、現在東海農政局の庁舎が建っている場所に設けられる予定です。東海農政局の庁舎は老朽化が進んでおり、同じく老朽化が進み取壊し予定の旧名古屋貯金事務センターに建設される新庁舎に移転予定です。

名古屋市は、「金シャチ横丁第二期整備博物館構想策定業務」についてシンクタンクである三菱総研との間で2022年8月に業務委託契約を結んだとのことであり、今後、構想が具体化していくものと思われます。

博物館の整備時期は現時点では未定です。芝居小屋風多目的施設の整備を先行させ、それが2025年度の開業目標ということなので、博物館はそれよりもあとになるのではないでしょうか。

現在の様子(2022年8月)

まず金シャチ横丁「義直ゾーン」の様子を見てみましょう。

「義直ゾーン」には店舗区画が12あり、トラディショナルな?名古屋めしである味噌煮込みうどん(山本屋総本家)やみそかつ(矢場とん)、ひつまぶし(備長)などのお店が出店しています。土産物店だった「なごみゃ」が2022年2月に閉店、現在はこの1区画が空いていて休憩スペースになっています。

取材したのは土曜日の午後2時過ぎでしたが、けっこうな人出でした。

店によっては行列ができていました。

木立の向こうに東海農政局の庁舎が建っており、近い将来移転した跡地に博物館が建てられます。

芝居小屋風多目的施設が建てられる予定のBBQパークです。真夏の炎天下だからかBBQパークに客は入っていませんでした。

東海農政局の庁舎です。古い建物なので耐震補強がされています。確かに名古屋城正門近くのこの場所にある必然性は感じられません。

東海農政局が移転予定の「旧名古屋貯金事務センター」です。この場所に鉄骨造11階建ての新しい庁舎が建てられる予定で、東海農政局のほか、中部経済産業局などが入る予定です。

博物館の新設は歓迎だが課題も…

名古屋城周辺では、愛知県体育館の移転やホテルナゴヤキャッスルの建替えなど、ビッグプロジェクトが目白押しです。

「名古屋城博物館(仮称)」の整備も新たなスポットの誕生ということで名古屋の観光面での魅力向上という観点から歓迎されるべきプロジェクトだと思います。

ただ、名古屋城内には既に西の丸御城宝館がありますし、東にしばらく行けば徳川美術館もあります。また、博物館はハコモノを造っておしまいというわけではなく、学芸員などの人的リソースも含め、維持運営には相応のコストも要します。

このあたり、充分な検討が行われるのでしょうが、せっかく作るのであれば、全国の城郭ファンをはじめとする多くの人をアッといわせるような、また徳川美術館などと相乗効果を発揮できるような名古屋ならではの施設となることを願いたいと思います。

-ミュージアム