名古屋市中区三の丸の官庁街にあった「ゆうちょ銀行名古屋貯金事務センター」の跡地で新たな庁舎の建設計画が進められています。
名称は「名古屋第4合同庁舎」で、老朽化した庁舎の集約先として建設されます。建設される庁舎は地上11階・地下1階建てで、完成は2025年12月の予定です。
「名古屋第4地方合同庁舎」の概要
名古屋の官庁街である三の丸地区にある中部経済産業総合庁舎と名古屋農林総合庁舎は老朽化が進んでおり、万が一大地震が起こった場合の災害応急対策活動に必要な耐震性能もないことから、新たな庁舎として集約建て替えを行うことになりました。
入居する官庁は、東海農政局・中部経済産業局・中部近畿産業保安監督部・中部地方整備局港湾空港関係・中部地方環境事務所で、事業方式としてはPFI(BTO[Build-Transfer-Operate]方式)が用いられます。
2021年に事業者の選定が行われ、大成建設のグループが落札、同社が工事を施工し、事業主は同社グループが設立した特別目的会社である「名古屋ミノマール」です。
並行して旧建物の解体が行われた後、埋蔵文化財の庁舎などを経て、2024年3月ごろから建設工事が進められています。
パースです。白を基調とした庁舎らしく落ち着いた意匠となるようです。
「名古屋第4地方合同庁舎」の概要は以下のとおりです。
名称 | 名古屋第4地方合同庁舎 |
敷地の地名地番 | 名古屋市中区三の丸2丁目24番 |
用途 | 事務所、店舗 |
構造 | 地上階:複合構造(柱:鉄筋コンクリート造、梁:鉄骨造) 地下階:鉄筋コンクリート造 |
高さ | 48.53m |
階数・棟数 | 地上11階・地下1階 |
敷地面積 | 6,582.27㎡ |
建築面積 | 2,231.14㎡ |
延べ面積 | 25,648.77㎡ |
建築主 | 名古屋ミノマール株式会社 |
設計者 | 株式会社佐藤総合計画 |
工事施工者 | 大成建設株式会社 |
完成 | 2025年12月(予定) |
注目すべきは、用途に「店舗」が含まれるところです。先ほどのパースを見ると、低層階のかなりの部分を占めるようにも見えますが、どうなるのでしょうか。
現地の様子(2024年11月)
建設地の南西側より。2基のクローラークレーンが立ち並んでいます。後ろに建つのは愛知県三の丸庁舎です。
南東側より。足場らしきものが構築されています。
大成建設による事業名の看板。
建築計画の概要です。2023年11月9日に設置されました。
内部の様子を少し覗うことができました。地上に鉄骨が伸びてきています。
建設地の東側にある移転対象となる中部経済産業局の庁舎。耐震補強はされているものの年季を感じさせる建物です。
こちらも移転対象の名古屋農政局の庁舎です。金シャチ横丁(義直ゾーン)に隣接しており、跡地には「名古屋城博物館(仮称)」が整備される構想があります。
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