今回は、名古屋でも有数のビッグプロジェクトになるであろう「千種ビル群」の解体状況についてお伝えします。
地権者である積水ハウスが解体作業に着手したのが2023年4月なので、4か月が経過しました。もっとも高い千種ニュータワービル以外のビルがほぼ防護パネルに覆われ、本格的な解体に向けた準備が進められているようです。
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現地の状況(2023年8月)
新千種橋西交差点南西側からの様子。低層ビルは防護パネルで覆われている一方、「千種ニュータワービル」はまだ手付かずのようです。
写真右手が「千種ビル」、左手が「千種第2ビル」、奥に見えるのが「千種ニュータワービル」です。
間からは重機が見えます。
“千種ビル群”という名称ですが、所在地は東区葵3丁目です。
北側に建つ「千種第3ビル」です。こちらも防護パネルで覆われています。
その「千種第3ビル」の対面に建設された「エステムプラザ千種駅前」。地上15階建て、総戸数56戸の分譲マンションで、竣工は2023年8月下旬、入居開始は9月下旬の予定です。千種ビル群が解体されてしばらくは眺望がよさそうですが、再開発後はどうなるのでしょうか。
解体工事は2024年の5月末まで行われます。これだけの規模の解体ですが、1年強でできてしまうのですね。
解体工事を担当しているのは鹿島です。
地下鉄東山線千種駅の2番出入口。千種ビル群の敷地内にあります。このまま残されるのでしょうか。
当然のことながら千種ビル群への出入口は閉鎖されています。
現在は、石綿(アスベスト)の除去や内装の解体が行われるとともに足場の組み立てが行われています。建物本体の解体はもう少し先かもしれません。
数年後にはこの景色がどのように変貌しているのでしょうか。
2023年7月31日に惜しまれつつも閉店したちくさ正文館書店。千種ビル群の再開発では商業施設も設けられるようなので書店にも入ってほしいのですが、なかなか難しいかもしれませんね。
次なる焦点はいつ事業者から計画が公表されるか
建通新聞で報じられているところによると、
- 跡地に開発される分譲マンションはタワーマンションとして開発する予定
- 富裕層向けや投資家向けなどさまざまな部屋タイプを設ける見通し
- 敷地全体における建物の配置計画やそれぞれの規模、解体中の開発スケジュールなどは検討中
とのことなので、ある程度の青写真は描かれているものと思われます。
ただ、開発の規模は経済・金融情勢や税制などに影響を受けるものと思われ、特に令和6年度からタワーマンションへの相続税の課税強化が予定されているということもあり、事業者である積水ハウスも慎重に商品性を見極めているのではないでしょうか。
いずれにしてもどのくらいの規模になるのか非常に気になるところです。事業計画の公表が待ち遠しいですね。