名古屋市は、1970年(昭和45年)に竣工し、施設の老朽化が進んだ千種区役所の建替え計画を進めています。地下鉄東山線池下駅前という交通利便性の高い立地に所在しているため、現在の場所で建替えられます。
現庁舎の解体から新庁舎の完成までの期間は、区東部の東山公園近くの「東星ふれあい広場」に仮設庁舎が設けられることになっており、2023年1月に移転予定です。
関連記事
「千種区役所等複合庁舎」の概要
現在の庁舎は地上12階・地下3階建てで区役所などの庁舎と都市再生機構(UR)の賃貸住宅の複合施設となっています。新庁舎も現在の庁舎と同様、区役所などの庁舎とUR賃貸住宅の複合施設となります。規模は、地上20階・地下1階へと大幅にスケールアップします。
スケジュールです。仮設庁舎への移転後、まずは現庁舎の解体工事に着手することになります。
断面構成イメージ図です。基礎免震構造が採用されるとともに停電時でも72時間庁舎機能が維持できる設計で、電気・給水関係の設備も上階に設置され、大災害時において支援・復旧活動の重要な拠点となります。
また、1階のアトリウム(内部公開空地)は3層吹抜けとし、3階フロアと既存の歩行者デッキと接続され池下駅からアクセスしやすくなります。
北西側からのイメージパースです。人通りの多い広小路通側への圧迫感を低減するため高層部の賃貸住宅部分がセットバックされています。
現地の様子(2022年7月)
名古屋のメインストリートである広小路通沿い、地下鉄東山線池下駅すぐという極めて利便性の高い立地です。なお、広小路通は電線が地中化されていてスッキリとした街並みになっています。
北西側からの様子。立派な建物ですが、名古屋市内でよく見かける昭和40年代っぽい建物でやはり古さを感じてしまいます。
池下駅からは歩行者デッキで結ばれています。エレベーターも設置してありバリアフリーになっています。あとは屋根があれば最高ですが…。
現庁舎は2007年に耐震改修が完了しています。トラス状の鉄骨が取り付けられているのがわかります。
南東側からの様子。北側には「サンクレア池下」や「グランドメゾン池下ザ・タワー」が建ち並んでいます。
池下は名古屋市内で有数のタワーマンション街へと変貌を遂げています。写真左側の「グランドメゾン池下ザ・タワー」の左側には2025年夏ごろには千種区役所の新庁舎より一足先に「(仮称)グランドメゾン池下ザ・タワーⅡ」が完成予定です。
その「(仮称)グランドメゾン池下ザ・タワーⅡ」の建設予定地ですが、6月の取材時から大きな変化は見られませんでした。
関連記事
仮設庁舎も2023年1月の業務開始に向け整備が進む
仮設庁舎は区東部の東山公園近くの「東星ふれあい広場」に設けられます。最寄り駅は地下鉄東山線東山公園駅で徒歩7分くらいの場所です。決して不便というわけではありませんが、現区役所の利便性の高さが際立っているように思われます。
仮設庁舎での業務開始日は2023年1月4日です。中村区役所新庁舎での業務開始日、さらには岐阜県庁新庁舎の開庁日と同日です。
関連記事
業務開始日まであと約5か月で間に合うのかな?とも思いますが、あくまで仮設なので工事はテキパキと進んでいくのでしょう。
「千種区役所等複合庁舎」の進捗状況について、「(仮称)グランドメゾン池下ザ・タワーⅡ」の状況と併せて、今後定期的に追っていきたいと思います。