国内最大のインキュベーション施設となる「STATION Ai」の建設工事が2024年10月の開業に向け大詰めを迎えています。
建設が進められている名古屋市昭和区の鶴舞公園南側では特徴ある横長の建物が姿を現しています。現在の状況をお伝えします。
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「STATION Ai」の概要
「STATION Ai」は、愛知県が2018年10月に策定した「Aichi-Startup戦略」の一環として、整備が進められているインキュベーション施設です。
インキュベーションとは、英語で“卵などがふ化する”という意味で、これになぞらえ、起業家の育成や新しいビジネスを支援する施設を「インキュベーション(施設)」といいます。
「STATION Ai」では、スタートアップの創出・育成やオープンイノベーションを促進するために、国内外のスタートアップ支援機関・大学との連携等を通じて、様々な支援サービスが提供されます。
「STATION Ai」の整備・運営事業を行うのはソフトバンクの100%子会社であるSTATION Ai株式会社です。具体的に行う事業内容は以下のとおりです。
事業名 | 内容 |
インキュベーション事業 | 事業成長をサポートするプログラム・イベント等の運営 |
施設整備・運営事業 | 施設全体の整備・運営 |
ファンド運営事業 | STATION Aiメンバーを投資対象とするファンドの運営 |
鶴舞公園の南側、空港線の東郊通1交差点を東に入った場所が建設地です。
完成イメージ図です。
日本最大のインキュベーション施設にふさわしい、イノベーションをかき立てるようなIoTやAI、ロボット、ビッグデータ解析をはじめとするたくさんの先端技術が備わる施設になるとのことです。
各フロアをスロープでつなぐことにより、建物全体がひとつながりとなる空間構成となっています。
1階からM(メザニン)3階は誰もが気軽に訪れて利用できるゾーンとなり、2階の飲食スペースでは、1Fで行われているスタートアップのピッチイベントなどを見ることができます。
ロボットなどの最新技術に触れたり、交流の場として活用可能な、カフェやレストランが設けられます。
M3階から6階はスタートアップや企業のワークプレイスとなります。オフィスフロアのイメージです。
入居者同士のコミュニケーションが生まれるよう、各階をスロープでつなぎひとつながりとなるスパイラルフロアが採り入れられます。
現地の様子(2024年8月)
南西側からの様子。こうしてみるとそこまで大きな建物には見えませんが、“く”の字型になっており、かなり長い建物です。
南東側からの様子。建物の規模は地上7階建て、延べ床面積は約2.3万平方メートルです。
施工はフジタです。
STATION Aiの北側はテラスポ鶴舞というスポーツ施設になっていてサッカーコートが2面あり視界が開けています。鶴舞公園の眺望がよさそうです。
“STATION Ai”の電飾サインも設置されています。
南側から見ると“く”の字型でしたが、北側から見るとまっすぐです。
STATION Aiには、シンガポールで最大級の企業支援施設である「BLOCK71(ブロックセブンティーワン)」が入居することが明らかになっており、愛知県の大村知事はグーグルにも参加の要請をしているとのことです。
モノづくり企業が集積している愛知県に出現する国内最大のインキュベーション施設。スタートアップ企業の新たなビジネスモデルと融合して、この地方の産業に革新をもたらすのでしょうか。開業は2024年10月31日です。