2022年8月8日、三交不動産は近鉄四日市駅前に大型オフィスビル「(仮称)三交四日市駅前ビル」を建設することを公表しました。建物の規模は地上14階建て、高さは64mで、2023年2月に着工、2025年春に開業予定です。
近鉄四日市駅周辺では、中部地方で初となる「バスタプロジェクト」が進められるとともに「近鉄四日市駅周辺等整備事業」が進捗、不確定情報ですが高さ100メートル超の超高層ビルが建設される計画もあるようです。
現地を取材してきましたので「(仮称)三交四日市駅前ビル」の情報を中心に近鉄四日市駅周辺の状況をお伝えします。
「(仮称)三交四日市駅前ビル」の概要
四日市市は人口約30万4千人を有し、三重県で最大の人口を誇ります。
日本で最初の大規模石油化学コンビナートである四日市コンビナートを擁し、日本最大の工業地帯である中京工業地帯にあって重要な地位を占めています。かつては四日市ぜんそくといった公害問題に苦しみましたが、それを克服し、現在は環境先進都市を標榜するほどに状況が改善しています。
四日市市の中心市街地は近鉄四日市駅周辺で、近鉄百貨店やアピタなどが入居するトナリエ四日市といった大型商業施設のほか、アーケード商店街である「一番街」があり、駅前の賑わいは東海3県でも有数です。
「(仮称)三交四日市駅前ビル」は、近鉄四日市駅から徒歩3分という至近の立地で、同駅とJR四日市駅とを結ぶメインストリート「中央通り」に面しています。
近鉄四日市駅周辺は、国が進める「バスタプロジェクト」により中部地方初となる新たなバスターミナルが整備予定であり、四日市市も「中央通り」を中心とする「近鉄四日市駅周辺等整備事業」を進めています。後述しますが、不確定情報ではあるものの高さ100メートル超の超高層ビルが建設される可能性があります。
「(仮称)三交四日市駅前ビル」の概要は以下のとおりです。
名称 | (仮称)三交四日市駅前ビル |
所在地 | 四日市市浜田町41番1他 「近鉄四日市」駅徒歩3分 |
敷地面積 | 2,195.38㎡(664.10坪) |
延床面積 | (オフィス棟)約13,600㎡(約4,100坪) (駐車場棟)約3,400㎡(約1,000坪) |
建物規模 | 鉄骨造14階建 高さ64m |
主要用途 | (オフィス棟) 1階:商業フロア 2~14階:オフィス賃貸フロア (駐車場) 自走式駐車約130台 |
スケジュール | 着工:2023年2月~ 開業:2025年春 |
総事業費 | 約60億円 |
三交不動産は、名古屋市内でも積極的にビルの開発を行っており、2020年1月に竣工した店舗やオフィス、ホテルが入る「名古屋三交ビル」に続き、「(仮称)第2名古屋三交ビル」を建設中です。
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また、名古屋駅西口でも「(仮称)中村区椿町計画」として事務所・店舗・診療所などの複合ビルを建設予定です。
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「(仮称)三交四日市駅前ビル」の話に戻りましょう。
東側(国道1号線方面)からの建物イメージ図です。幾何学的な意匠となり今までの四日市にはなかったようなビルとなります。
西側(近鉄四日市駅方面)からの建物イメージ図です。「バスタ」らしきものも描き入れられています。
現地の様子(2022年8月)
近鉄四日市駅前からの様子。写真右から住友電装のビル、建設中の「(仮称)四日市ビル」(ホテル・事務所、地上13階建て・高さ51.9メートル)、札幌かに本家、そして2つビルを挟んだ向こうが「(仮称)三交四日市駅前ビル」の建設予定地です。
中央通り対面からの様子。三交不動産が所有する従前の建物である旧三重北農業協同組合本店ビルの解体工事が行われています。
アーケードには「バスタ四日市」の横断幕が掲げられています。
四日市駅前は高層マンションも数多く立地します。写真右手前が「ローレルタワーシュロア四日市」、その左にチラっと写っているのが「プレミスト四日市駅前」です。後者は億越えの住戸が分譲されたことでも話題になりました。
マンションでもおかしくない立地で、王道たるオフィスビルの建替えという選択をした三交不動産はさすがというほかありません。
「中高層建築物等建築計画のお知らせ」は2022年7月28日に掲出されました。
旧ビルの解体工事が進められています。
南東側からの様子。かなり奥行きがある敷地であることがわかります。
少し街歩きもしてみましょう。1番街商店街です。かなりの規模でした。
四日市市内で至るところで目にするマスコットキャラクターの「こにゅうどうくん」です。首の長いほうはおじさんの「中入道さん」。 お父さんは四日市祭・大四日市まつりに登場する山車「大入道さん」です。
こちらはJR四日市駅です。近鉄四日市駅前と比べると寂しい感じがします。
高さ100m超の超高層ビルの建設計画も?
不確定情報ですが、近鉄四日市駅前では高さ100メートル超の超高層ビルの建設計画もあるようです。
場所は、駅東側の近鉄グループが所有する専門店ビル「スターアイランド」跡地(約3,700平方メートル)です。
現在は駐車場になっています。四日市という拠点性を考えればまったくおかしな話ではないので具体化を待ちたいと思います。
なお、現在三重県で最も高いビルも四日市市にあります。
「四日市港ポートビル」がそれで、高さは100メートルです。
14階の展望室「うみてらす14」からは、近くは四日市コンビナートから遠くは名駅の超高層ビル群やセントレアまで見渡せます(条件がよければ)。夜景の撮影スポットとしても有名です。
四日市には仕事でごくたまに行くことはあるのですが、今回取材に訪れてみて、あらためて都市としてのポテンシャルの高さを認識しました。今後ますます発展が期待される四日市、目が離せません。