
名鉄瀬戸線「三郷」駅前で計画されている「三郷駅前地区第一種市街地再開発事業」について、2028年度の事業完了予定が遅れる見込みであることが報じられました。
背景としては建築資材の高騰や人手不足があるようです。
10月7日にアップしたイトーヨーカドー尾張旭店の取材に赴いた際、現地の様子を見てきましたが、再開発が行われる気配はまだありませんでした。
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当初の完了予定は2028年度だったが…
「三郷駅前地区第一種市街地再開発事業」は、市街地の更新が進んでいない三郷駅前の新たなまちづくりとして2021年8月に尾張旭市により市街地再開発事業が都市計画決定され、2023年7月に市街地再開発組合の設立認可、事業計画認可が行われています。事業協力者として、三菱地所レジデンスとフージャースコーポレーションが名を連ねています。

位置図です。三郷駅の南側約1.1ヘクタールが再開発の範囲となっています。

断面配置イメージです。街区はA~Cの3つに別れ、A棟として23階建ての共同住宅・商業施設・公共施設、B棟として商業施設・駐車場と駐輪場、C棟として商業施設が整備される計画です。
しかし、9月26日に中日新聞が本再開発の事業完了が遅れる見込みであることを報じました。建築資材の高騰により工事費が再開発の認可を受けたときより大きく増大することが判明したほか、人手不足もあり工期的にも難しいことが理由とのことです。
建築資材の高騰は全国の再開発事業にも深刻な影響を及ぼしており、2024年1月にNHKが行ったアンケートによると、中心市街地で高層化による再開発を進める全国129の地区のうち全体の7割以上で工事費が上振れし、計画の遅れや見直しが必要な地区も出ているとのことです。
直近だと、東京の中野サンプラザの再開発で工事費が900億円以上上振れする見込みとなり完成の延期や計画自体を見直す可能性が出てきていることが報じられていますし、札幌駅前の大規模な再開発も規模の縮小や完成の延期といった可能性が出ているようです。
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現地の様子(2024年10月)

再開発区域南西側の三郷交差点からの様子。建物が取り壊される様子はなくや台すしや鳥貴族などの居酒屋も元気に営業を続けているようです。

県道名古屋瀬戸線の歩道橋より。やはり再開発が行われる気配はありません。

駐輪場も以前のままです。もしかしたら再開発事業の完成は2030年代以降になるのかもしれません。23階建ての複合ビルということで郊外部ではなかなか厳しいのかもしれませんが、なんとかうまいこといってほしいものです。