第一生命保険、鹿島建設、ノリタケの3社は、2024年7月29日、名古屋市中区新栄町2丁目で計画を進めている「(仮称)S2計画」について、施設名称を「栄トリッドスクエア」に決定したことを発表しました。
現地では地下躯体の工事が進められており、もうしばらくすると躯体が地上に姿を現すものと思われます。竣工は2026年3月の予定です。
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「栄トリッドスクエア」の概要
「栄トリッドスクエア」は第一生命保険、鹿島建設、ノリタケの3社が協力し、一体となって取り組んでいる計画で、3社の土地を一体的に開発し施設を共同使用することで、名古屋市総合設計制度における「敷地共同化」の特例を活用します。
3社の土地を共同使用することにより、広小路通と錦通の二方に面する約3,400平方メートルの土地が出現、そこに延べ床面積40,140.61平方メートル、地上19階・地下1階建て、高さ97.37メートルのオフィスビルが建設されます。
「栄トリッドスクエア」という名称の由来ですが、3を意味する接頭語「tri」と、伝統を意味するtraditionalの短縮形である「trad」からの造語「trid(トリッド)」を考案したとのことです。
パースです。事業者の1者であるノリタケが日本で初めて製造に成功したボーンチャイナから着想を得た外観になっています。
1階のエントランスは天然木を取り入れた自然を感じられる内装デザインとなるとともにノリタケの初期の製品である「オールドノリタケ」も展示される予定です。
オフィス主体のビルとなる予定ですが、1階には店舗区画が設けられます。隣の建物から類推するに広小路通側からの様子のようです。よく見るとパースの左側にオフィスのエントランスが描いてあるのがわかります。
2階は屋外テラス付きのプレミアムオフィスや入居者専用のワーカーズラウンジが設置されます。
オフィスフロアの基準階平面図です。広小路通・武平通・錦通という3つの通りに面していることを活かした採光たっぷりの設計となっています。
「栄トリッドスクエア」の概要は以下のとおりです。なお、当初の計画では高さ99.9メートルでしたが、設計変更があったのか若干ですが低くなりました。
名称 | 栄トリッドスクエア |
敷地の地名地番 | 名古屋市中区新栄町2丁目1番ほか |
用途 | 事務所、店舗、駐車場 |
構造 | 鉄骨造、一部鉄骨鉄筋コンクリート造 |
高さ | 97.37m |
階数・棟数 | 地下1階 地上19階 塔屋3階 |
敷地面積 | 3,418.76㎡ |
延べ面積 | 40,140.61㎡ |
工期 | 2023年6月着工~2026年3月竣工 |
建築主 | 第一生命保険、鹿島建設、ノリタケ |
設計者 | 鹿島建設 |
工事施工者 | 鹿島建設 |
現地の様子(2024年8月)
錦通側からの様子。広小路通側と比べると人通りは少ないですが、“愛知芸術文化センター方面から人の流れを呼び込むような広場”が設けられるとのことです。
写真奥に見える建設中のビルは「ザ・ランドマーク名古屋栄」です。栄で開発中の2つの超高層ビル計画の正式名称が相前後して事業者より公表されました。
広小路通側からの様子です。写真左奥に見える「NHK名古屋放送センタービル」の高さが95メートルなので「栄トリッドスクエア」はほぼ同じ高さとなり、存在感のあるビルになりそうです。
オアシス21からの様子。取材したのは2024年8月1日(木)でしたが、2日(金)から4日(日)は「世界コスプレサミット2024」が開催されるのでこのあたりもコスプレイヤーで埋め尽くされることになりそうです。
工事の様子を観察するのに絶好の場所があることに気づきました。
その場所とは、愛知芸術文化センター展望回廊です。「栄トリッドスクエア」とは錦通を挟んで真正面です。見下ろすと地下躯体の工事が着々と進んでいることがわかります。
ただ、旧建物の地下躯体の一部がまだ残っているようで撤去工事が続けられていました。
「栄トリッドスクエア」と「ザ・ランドマーク名古屋栄」の竣工時期はともに2026年3月の予定です。近い将来、この場所から「中日ビル」挟んで3本の超高層ビルが建ち並ぶ姿を見られることになりそうです。