地下鉄伏見駅近くの錦通沿いにあったオフィスビル「りそな名古屋ビル」跡地に建築計画の概要が設置され、地権者の鹿島建設によるビルの建て替え計画が明らかになりました。
計画名は「(仮称)錦通桑名町ビル新築計画」で、地下1階地上13階建て、高さ59.755メートルのオフィスビルが建設されます。着工は2023年12月1日ごろの予定です。
錦通を挟んだ南側では、鹿島建設が地権者として名を連ねる地上24階建て・高さ約130メートルの超高層ビル「(仮称)錦二丁目18番地区市街地再開発」の計画も控えており、今後要注目のエリアです。
「(仮称)錦通桑名町ビル」の概要
以前建っていた「りそな名古屋ビル」は、1963年に竣工した地上9階・地下4階建て、延べ床面積3万平方メートル弱のオフィスビルで、りそな銀行名古屋支店などが入っていました。
2019年11月にりそな銀行名古屋支店が移転、その後もテナント退去が順次進み、2021年11月ごろに閉館、2022年に入ったころからビルの解体が進められ、2023年6月現在では更地になっています。
地権者ですが、りそな銀行などから東京の不動産会社であるケン・コーポレーションを経て、2021年12月に鹿島建設が売買により土地所有権を取得しています。その後、同社により解体が進められました。
そして、2023年6月5日、現地に建築計画の概要が掲出され、鹿島建設によるビルの建て替え計画が明らかになりました。
建設されるビルの概要は以下のとおりです。
名称 | (仮称)錦通桑名町ビル新築計画 |
敷地の地名地番 | 名古屋市中区錦2丁目1501、1515 |
用途 | 事務所 |
構造 | 鉄骨造一部鉄骨鉄筋コンクリート造 |
高さ | 59.755m |
階数・棟数 | 地上13階・地下1階 1棟 |
敷地面積 | 2,442.39㎡ |
建築面積 | 1,848.53㎡ |
延べ面積 | 25,810.64㎡ |
建築主 | 鹿島建設株式会社 |
設計者 | 鹿島建設株式会社中部支店一級建築士事務所 |
工事施工者 | 未定 |
工事着工予定時期 | 2023年12月1日頃 |
現地の様子(2023年6月)
現地に設置された建築計画の概要です。2023年6月5日に設置されました。
南西側からの様子。錦通沿いに60メートル級のビルのスカイラインが形成されています。すこしわかりにくいですが、写真右手奥のガラス張りのビルは鹿島建設が建設した「名古屋伏見Kスクエア」でりそな銀行名古屋支店の移転先にもなっています。
高さこそ60メートル弱ですが、奥行きがある土地に建設されるため、約2.6万平方メートルと伏見Kスクエアの約1.7万平方メートルより大幅に大きなビルとなります。
鹿島建設の単独開発となります。同社の伏見エリアへの並々ならぬ思い?が伝わってくるようです。
錦通を挟んだ南側は「(仮称)錦二丁目18番地区市街地再開発」の計画地です。数年後の景観の変化が楽しみです。
北側は飲食店なども多い、繁華街的なエリアになっており、ミニシアターの伏見ミリオン座もあります。建築計画の概要には「事務所」としか記載されていないので、店舗は併設されないのでしょうか。
レトロかつディープな「伏見地下街」とも直結可能です。なおさら店舗も併設してほしいのですが、どうなるのでしょうか。
現場にはてるてる坊主も吊るされていました。てるてる坊主は丸の内一丁目計画(名古屋フコク生命ビル跡地)でも見かけましたが、あちらの施工者は清水建設でした。晴天を乞うのは工事関係者共通の想いなのですね。