リニア中央新幹線の工事が各所で進む名古屋駅周辺ですが、西口でいくつか動きがありました。
西口の駅前広場のデザイン計画案が取りまとめられ、公表されていた“クラウド型”の屋根が配置される計画が実現に向けて動き出します。
また、リニア駅用地内で立ち退きが遅れていた雑居ビルもまもなく解体工事が始まりそうですし、太閤通口南側で三交不動産が計画している賃貸ビルの計画も正式に公表され、パースが公開されています。
前回の取材は2022年5月でしたので半年ぶりの取材です。
前回記事
西口の駅前広場に“クラウド型の屋根”が…
名古屋市は、名古屋駅西側エリアの目指す姿として、重層的な拠点形成を掲げています。
駅前広場の地下や上空なども活用し、交通連接機能の立体的な配置や総合案内機能を導入するなど、スーパーターミナル駅にふさわしい魅力的な拠点の形成を目指す、というものです。
西口の超高層ビルの構想もこの文脈のなかで語られているものと思われます。
しかし、重層的な整備には相当な時間がかかることから、リニア中央新幹線の開業時を目指して、早期にリニア効果が発揮できるよう平面レベルの限られた空間のなかで整備を行うこととし、2021年9月にデザイン検討業務の公募型プロポーザルが行われました。
このプロポーザルで選ばれたのが雲のような“クラウド型の屋根”を重なり合わせて配置するデザイン案です。
完成イメージです。現在ある高速バスの待合室などがある建物は撤去されるようです。そのため歩行スペースは広くなると思われますが、高速バスの乗降場は残されるので乗客はふきっさらしの場所で待つことになるのでしょうか。
現在の西口広場の様子。噴水は撤去されるようですが、右端の時計は残すなど、使えるものは使えるようで、あくまで「仮設」のものとなります。
ゾーニング・交通施設計画の図です。基本的には現在とあまり変わりませんが、「SRTの乗降・待合空間の検討箇所」が目新しいといえば目新しいです。しかし、なんとなく取って付けたような感じで、高速バスや観光バス、一般車やタクシーがSRTと錯綜しそうですが大丈夫なのでしょうか。
リニア中央新幹線名古屋駅の工事も着々と
タワーズの駐車場からリニア中央新幹線名古屋駅の建設現場を俯瞰します。なんとなくリニア駅の“カタチ”が見えてきているような……。
リニア駅用地内に残っていた雑居ビルがシートで覆われています。まもなく解体工事が始まりそうな様子です。
この雑居ビル群が解体されれば一気に見通しがよくなりそうです。
ビッグカメラ名古屋駅西店の入るビルは名鉄ニューグランドホテルが閉館してそのままです。重層的な拠点形成は民間と連携することが謳われています。西口の高度利用化はこのビルが大きなカギを握っているといえそうです。
三交不動産が12階建ての賃貸ビルを建設へ
太閤通口の南側にあったビジネスホテル「稲穂」の跡地に三交不動産が計画しているのが「(仮称)名古屋市中村区椿町ビル」です。
417.77平方メートルの敷地に鉄骨造地上12階建て、高さ47.92メートル、延床面積約3,270平方メートルの賃貸ビルが建設されます。1~3階が商業フロア、4~12階がオフィス・サービスフロアとなります。
現在の様子です。工期は2022年11月から2024年春までです。地下がないので鉄骨の躯体が出現するのは意外と早いのではないでしょうか。