名古屋市中村区名駅南1丁目、笹島交差点の南西角にある商業ビル「名鉄レジャック」が2023年3月末に閉館することが公表されました。
「名鉄レジャック」を含む名古屋駅周辺一帯で計画されている名鉄名古屋駅地区再開発事業は当初2022年度に着工する予定でしたが、コロナ禍による経営環境の悪化などにより着工延期となり2024年度をめどに方向性を判断することになっています。
そのような状況のなかで2022年6月30日に公表された「名鉄レジャック」の閉館。名鉄による名駅再開発事業の本格始動への布石として捉えることができそうです。
このタイミングに閉館というのは必然だった?
「名鉄レジャック」は1972年11月に開業した地上8階・地下3階建ての商業ビルで運営は名鉄の不動産部門を集約した名鉄都市開発の100%子会社であるメルサが行っています。
現在はボウリング場や各種飲食店、サウナ・カプセルホテル、ネットカフェ、占い店などあらゆる業種の店舗が入るほか、かつてはディスコだったフロアに名鉄百貨店の事務所が入っています。
いつも名鉄レジャックをご利用いただき、誠にありがとうございます。この度、名鉄レジャックは、ビルの老朽化と、建物オーナーとの賃貸借契約が満了することから、2023年3月末日をもって営業を終了することといたしました。(名鉄レジャック営業終了(2023年3月31日)のお知らせ より)
閉館の理由として、①ビルの老朽化、②建物オーナーとの賃貸借契約の満了、という2つの理由が挙げられています。
名鉄名古屋駅地区再開発事業は当初2022年度に着工する予定であったことから家主であるメルサ側はテナントとの契約を定期借家契約に切り替え、2022年から2023年くらいのタイミングで契約が終了するようにしていたのではないでしょうか。
したがって、このタイミングでの閉館というのは必然であったように思われます。
閉館後はどうなる?
新聞報道などによると2023年3月の閉館後、建物を解体する時期やその後の活用策は未定とされています。
名鉄名駅再開発の方向性の決定は2024年度をめどとされているので、それまでは建物が解体されないかもしれませんが、固定資産税などの負担も考えると閉館後比較的早い時期に解体される可能性もあると思われます。
そして、跡地の当面の活用策ですが、管理人RINTAとしては名鉄バスセンターを仮移転させればよいのではないかと考えています。メリット・デメリットは以下のとおりです。
名鉄レジャック跡地に名鉄バスセンターを仮移転させることにより太閤通をまたぐ進入路を撤去することができ太閤通より北側のゾーンの再開発を進めやすくなる
バスセンターの機能を失わずに再開発事業を進めることができる
現在の名鉄バスセンターと比べると名古屋駅方面からのアクセスが悪くなり利用者にとっては不便になる
面積的に現在の発着本数を捌けるのか不明であり、ただでさえ渋滞しやすい笹島交差点にバスの発着スペースを設けることができるのかも不安
名鉄名駅再開発について、2017年3月に公表された、高さ180メートル・幅400メートルのいわゆる“壁ビル”の案は消滅し、複数棟(3棟程度?)で構成される可能性が高いものと思われます。となると、工事は複数期に分けて順次行われ、名鉄名古屋駅の改良と併せて工事を行う必要がある名鉄百貨店など太閤通より北側のゾーンが先行して事業が行われることになるのではないでしょうか。
その間、名鉄バスセンターの代替地確保は必要になると考えられるので、名鉄レジャック跡地への名鉄バスセンター仮移転の可能性はゼロではないと思うのですが、果たしてどうなるのでしょうか。
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