2020年5月に高架化された名鉄犬山線の布袋駅。愛知県江南市の南の玄関口にふさわしい賑わいと、安心して住み続けられるまちの交流施設を基本コンセプトに同駅の東口で進められているのが「布袋駅東複合公共施設整備事業」です。
公共施設として、図書館、保険センター、子育て支援センターや交流スペースが、民間施設として、食品スーパー、物販施設(生活雑貨)、保育所、地域交流施設(フューチャーセンター)などが入居する予定です。
2023年春の開業へ向け建設工事が進められています。
「布袋駅東複合公共施設整備事業」の概要
「布袋駅東複合公共施設整備事業」は、江南市が進める官民連携事業です。名鉄犬山線の高架化により布袋駅の東西の分断が解消し、人の流れが大きく変わることにより駅の東西の一体感を生む、まちづくりの起点となる複合施設が整備されます。
2017年3月に基本計画を策定、2020年7月にはスターツコーポレーショングループが優先交渉権者に選定されました。
スキームとしては、公共が資金調達を行い、民間事業者が施設を設計・建設し、契約期間にわたり維持管理を一連で行っていくという「DBM方式」が採り入れられています。
「布袋駅東複合公共施設整備事業」の概要は以下のとおりです。
全体
計画地 | 江南市北山町西300番地ほか |
敷地面積 | 約9,081㎡(一部民間事業者の借地を含む) |
建築面積 | 約5,062㎡ |
延床面積 | 約15,649㎡(容積対象延床面積約12,467㎡) |
建ぺい率 | 約55.7% |
容積率 | 約137.3% |
最高高さ | 約21.3m |
公共施設・民間施設
公共施設 | 民間施設 | |
階数 | 地上4階 | 地上4階 |
最高高さ | 約21.3m | 約17.1m |
構造 | 鉄骨造 | 鉄骨造 |
建築面積 | 約2,072㎡ | 約2,990㎡ |
延床面積 | 約7,497㎡ | 約8,152㎡ |
配置図です。布袋駅の東西を一体的に捉えた配置計画となっています。
外観イメージです。竹細工をモチーフとしたファサードや南の玄関口を象徴するアイコンなどが採り入れられています。
現地の様子(2022年9月)
布袋駅北東側からの様子。「布袋駅東複合公共施設」は東口すぐの場所に建設中です。
写真では小さくて読み取れませんが、「テナント募集」の文字も見えます。スーパーマーケットも入るようですが、どこが入るのでしょうか。
完成予想図も掲げられています。
布袋駅南東側からの様子。
写真左側が公共施設部分、右側が民間施設部分です。
建設地南東側からの様子。
建設地南東側からの様子。建物が建てられていない部分は駐車場になります。
建設地に沿って都市計画道路が整備されます。
かつて布袋駅周辺に多く存在した穀物関係のレトロな倉庫も一部現存しています。
駅西口の様子。こちらも駅前広場の整備が進捗中です。
布袋駅の周辺には1日あたり400~500円の時間貸し駐車場が多くあります。通勤などのためのパークアンドライドの需要はかなりありそうです。
布袋駅だけに“布袋様”の像が!
布袋駅は急行や快速急行の停車駅です。一方、特急や快速特急、ミュースカイは通過します。
市の代表駅である「江南駅」の整備も待たれるが…
人口約9.7万人で名古屋市のベッドタウンでもある江南市。その江南市の代表駅は江南駅で、ミュースカイを含む全列車が停車、名鉄名古屋駅までの所要時間は最速で17分です。
しかし、駅前は再開発されておらず、コンビニや居酒屋が入るミュープラットやかなり年季の入った低層の雑居ビルがあるのみで、高架化が完成し、公共施設の整備が進む布袋駅前を比べるとやや置いてけぼり感があります。
以前ご紹介した稲沢市の国府宮駅前もそうですが、名古屋に10分、20分でアクセスできる特急停車駅の駅前立地であるにもかかわらず、そのポテンシャルを活かしきれていないよう思われ個人的には残念に感じてしまいます。
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今のところ具体的な動きはなく、財政的な面など様々な課題はあると思いますが、せっかくの立地を活かした新たなまちづくりを期待したいものです。