名東区

ジブリパークの玄関口として注目の「藤が丘」にホテルルートインが進出へ!

ジブリパークの開業を11月1日に控え、その玄関口として注目を集める藤が丘。

この藤が丘の街に小規模なビジネスホテルは1軒あるものの、ある程度の規模の宿泊施設はありませんでした。しかし、ジブリパーク効果か、ここへきてビジネスホテルチェーンのホテルルートインが進出することが明らかになりました。

このホテルルートインの進出計画について、藤が丘駅周辺の現在の様子と併せてお伝えします。

「(仮称)ホテルルートイン名古屋藤が丘駅前」の概要

名古屋近辺の出身者だけではなく、全国各地から転勤で名古屋に来る人からも人気なのが藤が丘をはじめとする名東区の丘陵地エリアです。

なかでも藤が丘エリアは丘陵地に築かれた閑静な住宅街が広がっており、始発駅ということもあり、近年は駅周辺でマンションの建設が相次いでいます。また、駅前にはスーパーマーケットや飲食店、金融機関などが集まっていて利便性も兼ね備えたエリアといえます。

そんな藤が丘ですが、ジブリパークへ名古屋駅や栄方面から鉄道でアクセスする場合、地下鉄東山線と東部丘陵線(リニモ)が接続し、乗換駅としての機能も有します。

2005年の愛・地球博(愛知万博)の際も乗換駅として多くの人が利用しましたが、ジブリパークの開業を控え、玄関口として再び注目を集めています。

しかし、ベットタウン的な性格が強いからか、これまで藤が丘をはじめとする名東区内の地下鉄東山線駅前には大手ホテルチェーンによるビジネスホテルの進出は見られませんでしたが、ここへ来て、ビジネスホテルの進出計画が明らかになりました。

それが、ルートインジャパンが手掛ける「(仮称)ホテルルートイン名古屋藤が丘駅前」です。

「(仮称)ホテルルートイン名古屋藤が丘駅前」の概要は以下のとおりです。

名称(仮称)ホテルルートイン名古屋藤が丘駅前
敷地の地名地番名古屋市名東区明が丘51
用途ビジネスホテル
構造鉄筋コンクリート造
高さ59.10m
階数地上12階
敷地面積1,484.34㎡
建築面積655.25㎡
延べ面積6,321.12㎡
建築主ルートイン開発
設計者企画社
工事施工者未定
着工2023年3月15日頃

なお、ジブリパークの入場は日時指定の予約制で、1日あたりの定員が最大5,000人程度であることから、それほど宿泊需要がないのでは、という声もあるようですが、藤が丘エリアは東名高速道路名古屋インターチェンジからも近く、周辺には大学や企業も多いことから十分な宿泊需要があるように思われます。

現地の様子(2022年10月)

地下鉄東山線藤が丘駅北口からリニモへの乗り換えの動線です。地下鉄東山線藤が丘駅は地上駅ですが、リニモ藤が丘駅は地下駅になっているのでエスカレーターで地下に向かいます。

リニモ藤が丘駅のコンコース。広々としているように見えますが、愛知万博の当時はリニモに乗車しきれない人であふれかえっていたとか……。ジブリパークの開業でどの程度の混雑になるのか気になるところです。

藤が丘駅の東側にある「藤が丘effe(エフ)」です。2006年に開業した商業施設で成城石井や飲食店、クリニックなどが入っています。2005年の愛・地球博当時は広場としてリニモの乗客待機場所になっていたそうです。

駅前には商店街もあります。藤が丘中央商店街振興組合は加盟店が100件を超えており、名古屋市内ではかなり大きな商店街のひとつといえます。

地下鉄東山線の南改札口からもリニモへ乗り換えができます。周辺の大学などへ向かうバスの乗り場も近くにあり、多くの学生で賑わう場所でもあります。

南西側から見た藤が丘駅前の様子。写真右側のビルは市営藤が丘荘で1階部分はバスターミナルになっています。左側の建物はURの藤ヶ丘市街地住宅1号棟で1階部分は店舗が入っています。

市営藤が丘荘1階のバスターミナルです。尾張旭市や守山区方面へのバスが発着しています。

藤が丘駅前にある「HOTEL ARK」です。現在、藤が丘駅周辺にある唯一のビジネスホテルと思われますが、合計客室数は43室と小ぶりです。

藤が丘駅周辺では、分譲・賃貸問わずマンションの建設が多く行われています。そのなかでも大規模なものが「ローレルタワー藤が丘」です。

建築主は近鉄不動産で、鉄筋コンクリート造地上19階建て、高さ58.78メートルのタワー型マンションで、総戸数は97戸、2023年2月下旬に竣工予定です。

さて、「(仮称)ホテルルートイン名古屋藤が丘駅前」の建設予定地です。藤が丘駅を西へ200メートルほどいった場所にあります。

現在は、料金前払い式(24時間500円)のコインパーキング(未舗装)として利用されています。

「名古屋市旅館等指導要綱」による標識です。パースが掲出されています。

こちらは「名古屋市中高層建築物の建築に係る紛争の予防及び調整等に関する条例」に基づく建築計画の概要です。

藤が丘駅周辺の取材日とは別の日に撮影。

藤が丘は東名高速道路名古屋インターチェンジからも近く、車で名古屋に入る人の東の玄関口という機能も旧来から担っています。

尾張瀬戸駅前でもルートインの進出計画が!

ホテルルートインのウェブサイトの「今後のホテルオープン情報一覧」を見ると、「ホテルルートイン名古屋藤が丘駅前」という名称は見当たりませんが、「ホテルルートイン名古屋」というホテルが2024年か2025年にオープンするとあり、おそらく藤が丘のことだろう思われます。客室数は187室とのことです。

また、愛知県内では2023年9月に「ホテルルートイン尾張瀬戸駅前」が開業予定です。

出典:瀬戸市 “新たな賑わい創出“となる中心市街地へのホテル誘致事業に係るルートインジャパン株式会社との協定書の締結について

こちらもジブリパークの開業を契機とし、観光を新たな産業の1つとするために瀬戸市が中心市街地へホテルを誘致したもので、2020年12月に基本協定を締結しています。

このようにジブリパークは早くも周辺に経済的な波及効果を及ぼしています。今後もジブリパークによって変わる街の姿を追っていきたいと思います。

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