2021年2月28日に閉店した「イオンモール名古屋みなと」の解体工事が概ね完了し、広大な更地が出現しています。しかし、敷地全体が白い仮囲いに囲まれたままで跡地利用も明らかになっていません。
現地取材してきましたので、現在の状況をお伝えするとともに跡地利用がどうなるのかについても考えてみます。
1999年開店と比較的新しかったが2021年に閉店
「イオンモール名古屋みなと」が開業したのは1999年11月であり、それほど昔のことではありません。開業当時の名称は「ベイシティ品川」で核店舗は「ジャスコ名古屋みなと店」でした。
敷地面積約74,000平方メートル、商業施設面積48,650平方メートルは当時、港区内で最大の面積を誇りました。
しかし、2014年6月に直線距離で西方約3キロメートルの場所に「イオンモール名古屋茶屋」が開業、棲み分けが図られたもののテナント流出も目立つようになりました。
さらに2018年9月には北東方約2キロメートルの場所に開業した「ららぽーと名古屋みなとアクルス」が打撃になるとともにアマゾンなどネット通販との競合にもさらされ、テナントの流出と顧客離れに歯止めがかからなくなり、ついに2021年2月28日、約23年間という大型ショッピングセンターとしては比較的短い歴史に幕を閉じました。
現地の様子(2022年7月)
跡地一帯が白い仮囲いで囲われています。ただし、なぜか看板はそのままです。新しい商業施設でもそのまま使うのでしょうか?
北側からの様子。道路をはさんで右側がモールのあったA敷地、左側がTOHOシネマズのあったB敷地です。
南側からの様子です。そういえば以前はA敷地とB敷地を結ぶ歩道橋があり、そこから写真を撮ろうと思っていたのですが、歩道橋は撤去されてしまっていました。
B敷地のほうは内部の様子が伺えるスキマがありました。雑草がかなり生育しているので更地になってからしばらく経っているようです。
「イオン名古屋みなと店一時休業」と掲げられています。
A敷地の解体現場の掲示です。
2022年7月で解体工事は完了する予定でしたが、若干工事が残っているようです。
あおなみ線荒子川公園駅の駅前という非常に便利な立地です。名古屋駅までは15分です。
駅名にもなった荒子川公園にも近く、緑が多い環境です。周辺には工場も多いのですが、オアシス的存在になっています。
場所が変わります。「イオンモール名古屋茶屋」です。
「イオンモール名古屋茶屋」も新型コロナの影響か、飲食店舗ではテナントの退去が目立ち苦労しているようです。
こちらは「ららぽーと名古屋みなとアクルス」です。
アウトドア好きの私としては「ららぽーと名古屋みなとアクルス」はそっち系の店舗が充実していて好きです。比較的低価格な割に高品質で人気が高いアウトドアブランドの『モンベル』は以前「イオンモール名古屋みなと」に入っていたのですが、「ららぽーと名古屋みなとアクルス」に移転しました。
跡地はどうなる?
名古屋駅まで15分で直結する駅前に出現した広大な更地。このままで放置される可能性は低く、遠からず跡地利用の方針が明らかにされるものと思われます。
しかし、本記事の執筆時点である2022年8月初旬時点ではなにも明らかになっていません。そこで当ブログなりに跡地がどうなるのか予想してみます。
まず、大前提としてイオンモール名古屋みなとは“一時休業”とされているので、商業施設が再び建てられることは間違いなさそうです。
ただし、商業施設はダウンサイジングされたうえで敷地の一部はデベロッパーなどに売却され、分譲マンション用地などに転用されると予想します。
商業施設の規模について、北区の旧イオン上飯田店(旧ダイエー上飯田店)が建替えられ開業した「そよら上飯田」のような近隣住民を対象としてネイバーフッド型ショッピングセンター(NSC)になることも考えられますが、それだと敷地の一部を分譲マンション用地に転用するにしても土地が余ってしまいそうです。
したがって、もう少し大きいコミュニティ型ショッピングセンター(CSC)くらいになると予測します。イメージとしては弥富市にある「イオンタウン弥富」のような屋外に複数の店舗が建ち並ぶようなオープンモールタイプのショッピングセンターです。
なお、イオンモール名古屋みなとには映画館(TOHOシネマズ名古屋ベイシティ)がありましたが、「イオンモール名古屋茶屋」に映画館が併設されていることやTOHOシネマズは今後栄に進出することなどを考えると、復活する可能性はほぼないと思います。
いずれにしても跡地がどのように活用されるのか、イオンからの早期の発表が待たれます。
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