社会・仕事

超高層ビルは働きやすいのか?実際に働いてみて思うこと

ピカピカの超高層ビル、果たして働きやすさは?

都会のど真ん中に林立する超高層ビル、あんなピカピカなビルに職場があったらさぞかし働きやすそうだけど、実際のところどうなんだろう?そう思われたことはありませんか?

わたくしRINTAは、東京の複数の超高層ビルで働いた経験があり、現在は名古屋駅前の某超高層ビルで働いています。今回の記事では、超高層ビルで働いた経験をもとに超高層ビルでの働きやすさについて考えてみたいと思います。

空間の快適性より大事なものとは?

重厚感とモダンさを兼ね備えた立派なエントランスホールを抜けると、階層ごとに複数に分かれたエレベーターホールがあり、高速エレベーターで上層階に着くと、空調が行き届き、眺望に優れた広大なオフィス空間が広がっている―――

こんな場所で働いてみたい! 誰もがそう思うのではないでしょうか。

でも、ちょっと待ってください。

どんな立派な超高層ビルで働いていても労働時間が異様に長かったり、上司や同僚との人間関係がギスギスしていたり、パワハラがあったりするようなブラックな職場だったら、それは快適な職場環境とはいえないでしょう。

なので、働く場所よりもなによりも大切なことは、適度な労働時間や良好な人間関係という本来当たり前でなければならない職場環境が確保されていることではないでしょうか。

この2つさえちゃんと確保されていえば、私ならどんな場所で働こうと文句はいいません。(たぶん)

企業が超高層ビルに入居する理由とは?

自身が超高層オフィスビルに入居できる財力のある企業の経営者でない限り、超高層オフィスビルに入居するという意思決定はできませんので、超高層オフィスビルで働く人は、たまたま働く場所がそういう場所であったというケースが多いと思います。

超高層オフィスビルの家賃は高額です。利益を出すためにコストを意識しなければならない企業がなぜ高額な家賃を払ってまで超高層オフィスビルに入居するのでしょうか。理由を考えてみましょう。

対外的イメージの向上

企業は、相手が法人であれ個人であれ、顧客から信用を得てなんぼです。そういった意味では、超高層オフィスビルのような立派なビルに入居していれば、少なくともこれだけのビルに入れる程度の財力があることの裏付けになり、信用力が担保されることにつながります。また、対外的に自社の威信を示す、いわゆるステイタスシンボルになるという面でもメリットがあるのかもしれません。私はお客様から「あんなビルに入ってるから高い金取るんだろ、このヤロー」と怒られたことがありますが…。

拠点集約による業務効率の改善・向上

一般的に超高層オフィスビルは、広大なオフィスフロアの面積を確保できることが多いので、何箇所かに分散していた各部門を1か所に集約することにより、タテ・ヨコの連携が高まり業務効率の改善や向上を見込むことができます。ただ、コロナ禍によって、テレワークの推進や郊外部へのサテライトオフィスの設置などむしろ逆の流れも見られます。

超高層ビルで働くメリット・デメリットとは?

それでは、超高層ビルで働く従業員側にとってメリット・デメリットはどこにあるのでしょう? 私が考えるメリット・デメリットは以下のとおりです。

【メリット】
交通アクセスが良い
眺めがよい

交通アクセスがよい

一般的に超高層のオフィスビルは駅に近い一等地に建っていることが多いのではないでしょうか。そもそもそういった場所でしか超高層ビルが建てられないということもあるのかもしれません。現在働いているビルも名古屋駅に至近で、新幹線に飛び乗って東京や大阪にアクセスしやすいというのは大きなメリットだと思います。


また、屋根のない場所を歩かなくてよいので、雨に濡れずに済みますし、真夏の炎天下でも汗をかかずにすむのは大きなメリットといえます。

眺めがよい

仕事が一息ついたときに窓を眺めると眼下に広がる広大な街並み、遠くに目を凝らすと山頂部に雪を頂いた山々が―――

こういった眺望のよさは超高層のオフィスビルならでは…ですが、慣れると別にどうってことなくなります。また、外光がまぶしくパソコンの画面が見にくくなるので、窓側の上席に座る上司が、一日中ブラインドを閉めっぱなしにするので、そもそも眺めうんぬんではありません…。

ただ、お客様がいらっしゃったときに眺めのよい応接室に案内するとだいたい喜んでいただけたり、外の景色をきっかけに話が弾んだりするので、やはりメリットといえるのかもしれません。

【デメリット】
エレベーターが混雑する
ランチ代などの物価が高い
人間的に?と思うような人がいる

エレベーターが混雑する

超高層オフィスビルでは、朝の出勤時やランチタイム時のエレベーターの混雑は半端ありません。特に現在のようなコロナ禍では、あまり密にならないようにエレベーターに乗るのでなおさらです。超高層オフィスビルではエレベーターはかなりの基数設置されているのが一般的ですが、ビルによってはうまいこと制御されていないのかかなり待たされることがあります。

ランチ代などの物価が高い

これは超高層オフィスビルに限ったことではありませんが、都心部での勤務ではランチ代もバカになりません。お弁当を持ってきたりすればよいのでしょうが、私は気分転換と割り切って外食のランチを楽しんでいます。

人間的に?と思うような人がいる

超高層ビルに入居するような企業ともなれば、それなりに大きな会社か、成長著しいベンチャーのような会社が多いのではないでしょうか。こういった会社では、会社の看板を自分の実力だと勘違いしてしまう人が多かったような気がします。あと、人を学歴や持ち物で平気でレッテル貼りするような人も多く辟易してしまったこともあります。まあ、これは超高層ビルだからというわけではなく、その会社の社風の問題なのかもしれませんので何ともいえませんが…。

わたくしRINTAの超高層ビル勤務遍歴

ここでわたくしRINTAの超高層ビルでの勤務遍歴をご紹介させていただきたいと思います。

転職して東京の超高層ビルで働くことになったけど…

当時勤めていた大阪の会社を辞め、東京の会社に転職することになりました。転職先の会社が入居するのは、西新宿にある超高層ビルの高層階。もちろん、そんな高いところで働くのははじめてです。

「自分もこんなところで働けるようになったんや…」

これからの東京での生活に思いを馳せ、意気揚々と出社しました。会社に着き、事務室内を見渡すとなにか違和感が…

「この事務室、窓がない…」

転職した会社は、何社かのスポンサーが出資しあって設立されたため、スポンサーのうち1社のオフィスの一部を間借りするような形で入居していたのです。そんな、まだロクに利益も出していないような新興会社にいい場所をあてがうわけもなく、賃料の安い、本来であれば会議室や倉庫として使うようなビルの内側の窓のない部屋を使え、ということになっていたようです。

今から思えば、これが辛い8か月間のはじまりでした。最初のうちは人間関係に問題はなかったのですが、あるミスをきっかけにお局さまの不興を買ってしまい、居心地が非常に悪くなってしまったのです。

お局様から投げかけられた冷たい言葉にショックを受け、昼食のざるそばも喉を通らず一人西新宿の超高層ビル街をさまよい歩いたのを昨日のことのように覚えています。

幸いにして、知り合いから誘いを受け、8か月で同業の別会社に転職することが決まりました。

私の後任がなかなか決まらないイライラからか、部長の些細な発言に激高した社長の「テメェ、ふざけるな!」との怒声がシーンとした室内に響き渡っていた思い出とともに私の最初の超高層ビルでの勤務経験は幕を閉じることになりました。

転職後も超高層ビルで働くことに

次の転職先は、日比谷にあり、またしても超高層ビルの高層階に入居しています。

そして…

「この事務室、窓がない…」(またか…)

幸いにして、数か月後にはビル内で引越しがあり、晴れて窓のある事務室に移ることができました。最初のうちは、汐留のビル群やレインボーブリッジまで見える眺望の良さに東京のど真ん中で働いていることを実感したのですが、そのうちそんなことも感じなくなってきました。

その後、その会社は、千代田区某所の中層ビルを経て、港区某所の超高層ビルに移転、再度超高層ビルで働くことになりました。

上司が変わりパワハラを受けるように…そして退職

その会社では直属の上司との人間関係は悪くはなかったのですが、その上司が仕事のプレッシャーにより適応障害になってしまい、会社に来なくなってしまいました。代わりにヘッドハンティング会社から紹介された東大卒の人がやってきました。爬虫類のようなギョロギョロした目を一目見たときイヤな予感がしたのですが、それが見事的中。その爬虫類っぽい人が新しい直属の上司となって1週間もしないうちに執拗なパワハラを受けるようになったのです。しばらくは我慢したのですが、とうとう我慢できなくなり、会社に行けなくなってしまいました。

その企業は外資系であり、たまたま親会社のリストラもあったため、それに乗っかる形でそれなりの退職金をいただき、その会社を退職しました。

その後、何度か転職し、名古屋で働くようになった今では名駅にある某超高層ビルの高層階で働いています。たまたま超高層ビルに縁がある私の仕事人生、なぜか思い出すのはつらかったときのことの方が多いような気がします。

最後に】やっぱり「場所」よりも「環境」のほうがよっぽど大事!

ここまで、自身の経験を踏まえ、超高層ビルでの働きやすさについて考えてきました。ここまで、自身の経験を踏まえ、超高層ビルでの働きやすさについて考えてきました。

ところで、最近同僚がつぶやいた言葉が忘れられません。

「この職場、空気が澱んでるよね。。。」

私は思いました。「キミも同じことを感じていたのか。。。」と。

同僚には、マイナスイオン溢れる滝や緑いっぱいのお寺を拝観するなどして魂を浄化することを勧めておきました。

とにかく思うのは、「場所」よりも「環境」のほうがよっぽど大事だということです。働きやすい環境が確保されていればこそ、超高層ビルにある職場という場所がほどよいスパイスとなり、人生が少しばかり豊かになるのかもしれません。

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