名古屋市外・多治見市

「多治見駅南地区市街地再開発事業」現在の状況 2022年5月

JR中央本線「多治見」駅の南口で組合施行による第一種市街地再開発事業が進められています。

29階建ての分譲タワーマンション「ミッドライズタワー多治見」はすでに完売、スーパー「Mikawaya」などが入る商業施設「プラティ多治見」が2022年12月に開業する予定です。

すでにタワーマンションは上棟し、再開発事業は終盤を迎えています。再開発の概要と現地の状況についてお伝えします。

「多治見駅南地区市街地再開発事業」の概要

多治見市は岐阜県の東濃地方にある市です。人口は約10.7万人(2022年4月現在)であり岐阜県内で4位、東濃地方では1位であり、古来より美濃焼の産地であるとともに夏場の気温が高く「日本一暑いまち」として知られています。

多治見市の中心駅である「多治見」駅はJR中央線と太多線が乗り入れ、名古屋駅からは快速で約30分であることから名古屋方面への通勤者も多く、名古屋のベットタウンとしての側面も持っています。

この多治見駅周辺ですが、駅の北口は区画整理が行われたことにより整然とした街並みに生まれ変わり、現在では市役所の北庁舎や商業ビル、マンションなどが建てられています。一方、南口は、商店街の賑わい喪失、老朽木造家屋や狭い道路の問題などを抱えていたことから地権者の間で機運が高まり、2014年に再開発協議会が設立、その後準備組合を経て2017年に再開発組合が設立され、再開発に向けた準備が進んでいました。

そして、2019年7月に権利変換計画が認可されたことにより既存建物の解体工事に着手、2020年度から新たな建物の建築工事が開始され、2022年秋の完成を目指し工事が進められています。

再開発計画の概要は以下のとおりです。

名称多治見駅南地区市街地再開発事業
対象地区面積約2.0ha
建築敷地面積約15,300㎡
建築面積約9,100㎡
延床面積約48,100㎡(容積対象延床面積約33,600㎡)
建ぺい率約59%
容積率約220%
用途別規模商業業務棟:1~3階(商業)/床面積 約10,770㎡
住宅棟:29階(225戸)/床面積 23,448.21㎡
駐車場棟:5層/床面積 約14,250㎡(駐車台数494台/駐輪台数736台)
宿泊施設棟概要
※特定建築者である(株)呉竹荘が建設
階数:14階
建築敷地面積:約730㎡
建築面積:310㎡
延床面積:約3,800㎡
建蔽率:約43%
容積率:約500%
関係者施行:多治見駅南地区市街地再開発組合
再開発組合顧問:(株)再開発研究所
事業推進コンサルタント:(株)都市問題経営研究所
商業コンサルタント:(株)オーク計画研究所
建築設計・監理:(株)大建設計名古屋事務所
特定建築者:(株)呉竹荘

住宅棟である「ミッドライズタワー多治見」の詳細です。

名称ミッドライズタワー多治見
所在地岐阜県多治見市本町一丁目122番(地番)
用途地域・地区商業地域
敷地面積15,325.53㎡
建築面積1,144.67㎡
建築延床面積23,448.21㎡(容積対象面積18,226.72㎡)
構造・規模鉄筋コンクリート造 一部鉄骨造 地上29階建 免震構造
総戸数住戸225戸(他に管理事務室1戸、集会室、ゲストルーム2戸、トランクルーム)
竣工予定時期2022年10月下旬(予定)
入居予定時期2022年12月下旬(予定)
事業主株式会社フージャースコーポレーション
設計・監理株式会社大建設計 名古屋事務所
施工株式会社奥村組 名古屋支店
出典:多治見駅南地区市街地再開発組合 事業概要

パースです。

出典:多治見駅南地区市街地再開発組合 事業概要

再開発事業の対象地区はJR多治見駅南口の西側部分約2.0ヘクタールです。

出典:多治見駅南地区市街地再開発組合 事業概要

配置図です。駅舎からいちばん近いところに宿泊施設棟と商業・業務棟、中央部分に駐車場棟、西側部分に住宅棟が設けられ、最西端は広場となります。

出典:多治見駅南地区市街地再開発組合 事業概要

2階平面図です。JR多治見駅は南北の自由通路が設けられており、ペデストリアンデッキで直結され各施設へ行き来できるようになります。

出典:多治見駅南地区市街地再開発組合 事業概要

商業業務棟3階平面図です。一部はルーフトップの広場が設けられます。

出典:多治見駅南地区市街地再開発組合 事業概要

住宅棟平面図です。間取りは3LDKから4LDK、専有面積は60.75㎡から100.34㎡、一部住戸は億ション!です。竣工前ですが、すでに完売しています。

出典:多治見駅南地区市街地再開発組合 事業概要

各施設の断面図です。

現地の様子(2022年5月)

多治見駅北口からの様子。右側が「ミッドライズタワー多治見」、左側が宿泊棟です。手前に写っている停車中の列車は太多線を走るキハ75系です。

宿泊棟のアップです。呉竹荘が運営する「(仮称)くれたけインプレミアム多治見駅前」が開業予定です。民間企業のノウハウと資金を活用する観点から特定建築者制度を利用し呉竹荘が資金負担し建設しています。

南口ロータリーから見た多治見駅の橋上駅舎と再開発区域の様子です。

再開発区域東側からみた様子。手前が商業棟です。ペデストリアンデッキが架けられています。

南東側の様子。一見、文化施設にも見えますが、商業棟です。

駐車場棟です。500台弱収容可能です。北口にも立体駐車場が整備されており、駅周辺は充分な駐車台数が確保されていますが、開業直後は混みあうかもしれませんね。

南西側から「ミッドライズタワー多治見」を望みます。

直下からの様子。

すでに完売御礼の表示が。

商業棟ではテナントは満床になっていないようです。駅周辺では空き店舗も目立っているので少し心配です。

多治見駅南口では、地元金融機関である東濃信用金庫が新本店を建て、2022年1月より営業を始めています。

北口の様子。市役所の北庁舎や商業ビル、マンションが建っていて落ち着いた雰囲気です。手前の土地では期間限定でレストランが営業していましたが、2021年11月に閉店、現在は建物が取り壊れされ更地になっています。

多治見駅の南北自由通路。多治見市はCBCで放送されていたアニメ「やくならマグカップも」の舞台にもなりました。

瑞浪駅前でも再開発準備組合が設立!

2022年5月1日の記事でお伝えした尾張旭市・三郷駅前の再開発に続き、今回は多治見駅前の再開発事業の様子についてお伝えしました。

JR中央線沿線では、多治見駅から中津川方面に2駅行った瑞浪駅前でも2021年3月に再開発準備組合が設立され第一種市街地再開発事業の実施に向けた準備が進められています。多治見駅南口のようにタワーマンションなどの計画はないようですが、どのような計画になるのか、今後様子をウオッチしたいと思います。

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