名古屋市は、1964年(昭和39年)に建築され、老朽化が進んだ中村区役所の移転・新築工事を行っています。
現在の中村区役所は、地下鉄桜通線「中村区役所」駅近くの名古屋環状線沿いにありますが、地下鉄東山線「本陣」駅近くの旧本陣小学校跡地に移転、2023年1月4日より新庁舎で業務が開始されます。
2022年7月時点において、新庁舎の建物の外観はおおむね完成しており完成に向けて内装工事や外構工事が行われています。
「中村区役所等複合庁舎」の概要
新庁舎は、複合庁舎となり区役所のほか、土木事務所や保健センター、市税事務所が入るとともに民間活力促進の観点から土地の一部を貸し付けることにより民間企業が運営する医療モールも設置されます。
また、中村区役所の移転に伴い、移転日である2023年1月4日付で地下鉄桜通線「中村区役所」駅の駅名が「太閤通」駅に改称されるとともに地下鉄東山線「本陣」駅は施設名である「中村区役所」が新たに付記されます。
「中村区役所等複合庁舎」の概要は以下のとおりです。
計画名 | 中村区役所等複合庁舎等整備事業 |
敷地の地名地番 | 名古屋市中村区松原町1丁目23番1、2丁目22番1 |
用途 | 庁舎施設:事務所 民間施設:医院・診療所・施術所 |
構造 | 鉄筋コンクリート造一部鉄骨造 |
高さ | 25.51m |
階数・棟数 | 地下1階、地上5階 1棟 |
敷地面積 | 10,684.97㎡ |
建築面積 | 庁舎施設:4,181.12㎡ 民間施設:422.86㎡ |
延べ面積 | 庁舎施設:17,620.00㎡ 民間施設:1,711.02㎡ |
建築主 | 庁舎施設:名古屋市 民間施設:総合メディカル |
設計者 | 庁舎施設:竹中工務店 民間施設:TSUCHIYA |
工事施工者 | 庁舎施設:竹中工務店 民間施設:TSUCHIYA |
大通から少し入ったところにあることから自動車の渋滞が懸念されますが、来庁者用自動車を公道に滞留させないように、敷地南側(外構等)に駐車場までの導入路が設けられるなどの対策が講じられています。
現地の様子(2022年7月)
地下鉄本陣駅の3番出入口がもっとも近いですが、エレベーターがなくバリアフリーではありません。エレベーターがあるのは市バスターミナルがある4番出入口になりますが、鳥居通の信号を渡る必要があり、区役所新庁舎まではやや遠くなります。
南西側からの様子。奥の黒っぽい建物が庁舎施設、右側のシートで覆われている建物が民間施設です。
南東側からの様子。南側の道路が一番広く、自動車はこの道から出入りします。
東側からの様子。住宅が建て込んでいて、下町っぽい雰囲気が漂っています。
北東側からの様子。道路が拡幅されるようです。
北西側からの様子。屋上部分にはテラスのようなものが設けられます。
建築計画の概要。
庁舎施設の施工は竹中工務店が担当しています。
民間施設はTSUCHIYAが担当しています。同社は岐阜県大垣市に本社を置くゼネコンです。
工事は仕上げの段階に入っています。
現中村区役所はUR住宅との合築、移転後取り壊しか?
中村区役所の新庁舎への移転後、焦点となるのは現中村区役所がどうなるかです。
現中村区役所はUR住宅と合築となっていますが、UR住宅の土地賃貸借は2022年に60年の区切りを迎えるとのことです。
今後について、名古屋市とURの間で話し合いが行われていると思われますが、現在の建物は、老朽化が著しいため区役所の移転後、取り壊される可能性が高いものと思われます。
では、その跡地はどうなるのでしょうか。
個人的には、URが引き続き関与し、「アクアタウン納屋橋」のような複合施設ができると予想しています。果たしてどうなるのでしょうか。