名駅周辺ではポストコロナを見据えて新たな飲食・店舗ビルの開発が相次いでいます。2021年11月現在の各ビルの状況をご紹介します。
① μX MEIEKI (ミュークスメイエキ)
「μX MEIEKI (ミュークスメイエキ)」は、名古屋鉄道が名古屋市中区名駅4丁目に建築した地下1階・地上12階建の店舗・事務所ビルです。2021年9月に開業しました。
名駅の超高層ビル街の一翼を担う「モード学園スパイラルタワーズ」と同じ街区にあり広小路通りに面して立っています。
名駅の超高層ビル街の一翼を担う「モード学園スパイラルタワーズ」と同じ街区にあり広小路通りに面して立っています。
南東側からの全景です。1・2階はガラス張り、上層階は窓が不規則に配置された意匠となっています。
1階部分には「Delica Kitchen」が入っています。もともとはスーパーマーケットバローの総菜売り場を運営していた会社ですが、2017年4月にJPタワー名古屋(KITTE名古屋)に独立店舗を開設したのを皮切りに最近は各地に「Delica Kitchen」を展開しています。コロナ禍であってもテイクアウトの業態の強さを感じます。
また、大きな看板のある「一升びん」は三重県松阪市に本店がある松阪牛の一頭買いをウリにした焼肉店でμX MEIEKI の2階に入っています。2021年10月27日にオープンした「イオンモールNagoya Noritake Garden」にも新店舗がオープンしていますが、あちらはくるくる寿司のような回転型、こちらは回転型ではない形態です。
上階は不動産会社が2社、美容室が2店舗入っており、残り3フロアはまだテナントが入居していないようです。
COLLECT MARK 名駅4丁目
「COLLECT MARK 名駅4丁目」は大手総合リース会社である三菱HCキャピタルの子会社で不動産リース事業を手掛ける三菱HCキャピタルプロパティが建築した地下1階・地上11階建の飲食店・店舗・遊技場向けの複合商業ビルです。
名駅四丁目交差点の北東側からみた全景です。以前は4階建ての雑居ビルが建っていたのですが、シュッとしたスタイリッシュなビルに生まれ変わりました。背後に建つのはミッドランドスクエアシネマ2や三井ガーデンホテルナゴヤプレミアなどが入るシンフォニー豊田ビルです。
現時点でテナントは未入居です。不動産会社のテナント募集状況をみるとほとんどのフロアがまだ決まっていないようでテナント集めに苦戦しているようです。
同社は大名古屋ビルヂング北側で「COLLECT MARK 名駅3丁目」という飲食店舗が主体のビルも運営していますが、1階に入っていた中華料理店が退店してしまうなど、飲食ビルにとっては依然として厳しい状況が続いていることを伺わせます。
キング観光サウザント柳橋店
中央水産ビルの跡地に建築中の大型パチンコ店です。ほぼ完成に近づいており、近々オープンするものと思われます。
コンビニくらいは併設される模様ですが、基本的にはパチンコ店単体の店舗となるようです。名駅近辺には台数が1000台を超えるような大型店がないことからパチンコ店としては圧倒的競争力を持ちうるのかもしれません。
非常階段をみると意外に高い階数であることがわかります。上階は駐車場になるのでしょうか。
ここでは多くを語りませんが、この立地でこの用途、このデザインの建物がデーンというのは、個人的には残念に感じてしまいます。
(仮称)名駅四丁目ビル
③で紹介した「キング観光サウザント柳橋店」の南側、西柳公園と道路を挟んで東側の角地が更地になっていて建築計画の看板が掲げられていました。地下1階地上8階建の物販店舗・飲食店用途のビルが建設されます。
現地に掲出されている建築計画の概要です。企業オーナーのプライベートカンパニーっぽいので建築主の会社名などは消させていただきました。
コスモス名駅2丁目
「コスモス名駅2丁目」は大和ハウス工業が建築した地上4階建ての店舗ビルです。
中央郵便局北の交差点の北東側、DMG森精機の名古屋本社ビルの裏手に建っています。
完成して1年以上経ちますが1階と2階はテナント募集中の告知がでかでかと貼ってありテナント集めに苦労していることを伺わせます。3階は美容室、4階はスキンケア用品の販売サロンが入っています。
周辺には専門学校が多く、若者の多いエリアではあるのですが、地下街直結のルーセントアベニューや地上では名駅通の人通りが多い一方、「コスモス名駅2丁目」の前の道は人通りがそれほど多くはないことも苦戦の要因かもしれません。
(仮称)名駅太閤通口ビル
名古屋駅の西側に転じます。「(仮称)名駅太閤通口ビル」はJR東海とジェーアール東海不動産が建築している地下2階地上10階建ての飲食店が入るビルです。
名古屋駅太閤口を出てすぐという圧倒的な好立地です。こういった場所に土地を確保できるのもJR東海ならではです。
「(仮称)名駅太閤通口ビル」の左側2件隣の「MITANI」ビルは公示地価の調査地点になっており、過去には商業地の地価上昇率で全国1位になったこともあります。
新型コロナの感染者数の減少により人流が戻りつつあるなか、名古屋駅構内やエスカではキャリーバックを引いた人が飲食店に並ぶ姿も再び見かけるようになりました。この立地であれば飽和状態にあるこれらの飲食店の受け皿となり得るのではないでしょうか。
まだテナント構成などは明らかになっていません。リニア中央新幹線名古屋駅の工事の関係で立ち退きとなった飲食テナントの代替用なのかはわかりませんが、どのような飲食店舗が入るのか楽しみです。
今回は名駅周辺の飲食・店舗ビルの動向として6か所についてお伝えしました。今後も動きがあれば随時お伝えしていきます。