名古屋市中村区の三菱重工岩塚工場跡地で建設が進められてきた巨大物流施設「ロジポート名古屋」が2023年7月31日に竣工しました。
敷地の北側には今回の開発の対象とならなかった未利用の土地がありましたが、現地を取材したところ、どうやらもうひとつ別の物流施設ができることがわかりました。
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竣工を迎えた「ロジポート名古屋」現地の様子
まず、竣工を迎えた「ロジポート名古屋」の現地の状況です。
南東側からの様子。広場が設けられています。
地域に根差した人と人とをつなぐ町のような物流施設を目指し、「LOGIPORT TOWN」のコンセプトのもと、施設周辺の歩道の拡張や、地域住民も使用できる広場の整備やベンチの設置が行われました。
巨大なランプウェイです。
一部壁面の意匠が異なっている部分があります。なにか看板が掲げられています。
桃太郎便 AZ-COM Nagoyaとあります。桃太郎便でおなじみの丸和運輸機関がテナントで入るようです。なお、竣工時点での契約率は66%(約192,000㎡)とのことです。
エントランスは物流施設とは思えないような豪華な感じです。
北西側からの様子。
こちらも「TOWN PLAZA」として、シンボルツリーを円形のひさしが取り囲む休憩広場が設けられています。思ったよりも緑が多く好印象です。
敷地の奥まで誰でも入れる通路が設けられています。
ただ、新たに建設される「(仮称)岩塚物流施設」の敷地に突き当たってしまうため行き止まりになっています。
バス停がある場所にはベンチが設けられ気遣いが感じられます。
西2ゲート付近の様子。ここがメインゲートになるのでしょうか。
南の方まで芝生が続いています。
昔、八田駅からつながる線路が敷設されていたことから、線路のような緑道と駅のようなイベント広場を設けたとのことです。なかなかおもしろいですね。
建設中はなにかわからなかったのですが、駅を模していたのですね。
もうひとつの物流施設「(仮称)岩塚物流施設」の概要
「ロジポート名古屋」の建設中も北側は整地もされずそのままになっていたのでどうなるのだろうと思っていたのですが、もうひとつ別の物流施設ができることがわかりました。
現地に掲出された「建築計画の概要」です。施設名は「(仮称)岩塚物流施設」で建築主は特定目的会社クスノキとなっています。設計施工は「ロジポート名古屋」と同じく清水建設が担当します。
建築主は特定目的会社であり、証券化のスキームを用いて建設されるため、出資者などは不明です。「ロジポート名古屋」はラサール不動産投資顧問、東急不動産、NIPPOの3社が共同で開発しましたが、「(仮称)岩塚物流施設」とこの3社との関係の有無は不明です。
「(仮称)岩塚物流施設」の概要は以下のとおりです。
所在地 | 名古屋市中村区岩塚町竜子田11番3ほか |
敷地面積 | 40,012.60㎡ |
建築面積 | 25,500.00㎡ |
延床面積 | 82,500.00㎡ |
構造 | 鉄骨造 |
階数 | 地上4階 |
高さ | 30.00m |
用途 | 倉庫業を営む倉庫 |
工事着手予定時期 | (準備工事)2023年 9月初旬頃 (新築工事)2024年2月初旬頃 |
建築主 | 特定目的会社クスノキ |
設計監理監修 | 株式会社日立建設設計 |
設計者 | 清水建設株式会社名古屋支店一級建築士事務所 |
工事施工者 | 清水建設株式会社 |
北側の佐屋街道からの様子。おそらくこちら側がメインの出入口になるのではないでしょうか。
敷地内部の様子も伺えました。T字型の敷地のようです。
西側からの様子。「(仮称)岩塚物流施設」の規模は約4万平方メートルと15.7万平方メートルの「ロジポート名古屋」と比べると小ぶりですが、それでもかなりの規模です。
実際の開発主体や竣工予定時期など明らかになり次第お伝えします。